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ラ(ブ)のADULTVIDEOMANのレビュー・感想・評価

ラ(ブ)(2015年製作の映画)
3.0
インドのLGBT映画は「アリーガルの夜明け」「マルガリータで乾杯を」ぐらいしか見たことはなくて、その2本が反差別であったり多様性の称揚であったりと少なからず政治性を帯びたものであったのに対して、これは三角関係とか愛情のもつれとかそういうごくふつうのラブストーリーをただただリアリスティックにカメラが追うほんとうにそれだけの映画でなにかこうこちらの心を揺さぶるような劇的なことが起こったりするわけでもないし正直なところさして面白い話でもない。ブノワ・ジャコやクレール・ドゥニ、モーリス・ピアラなんかが撮るようなああいう類のフランス映画っぽさに近いけれどそれらに感じられるジワジワくる余韻みたいなのはあまりなくてちょっと残念な仕上がりだけれど、こういうふうに同性愛をごくナチュラルに物語ることの意義は大いにあるしあまりにもナチュラル過ぎて「はい、(いま流行りの)LGBT映画ですよ!」って全く主張しないという飄々とした作品の存在の仕方だけは20年ぐらい先を行っちゃってる感じでそこはすごい。
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