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ベター・ウォッチ・アウト: クリスマスの侵略者のJIZEのレビュー・感想・評価

3.7
クリスマスに留守番をまかされた12歳の少年とベビーシッターの2人を襲う恐怖の一夜を描いたホラー映画!!冒頭でクリスマスに向けて華やぐ街並みが、雪だるまのドアップから叩き潰されるシークエンスで、愉快に開幕するが、いわゆるブラックテイストでアナログの雰囲気が最初から張られている。まず最初に云えるのは、前情報ゼロで予告編も遮断して、本編を観てもらいたい。何ならレビュー自体も一読避けるコトを推奨する。いわゆるネタばれ厳禁もので、前半と後半では映画のテイストが反転する。またホラー版『ホーム・アローン(1990年)』という呼び声もマコーレ・カルキン顔負けで、オマージュ抜粋で放たれているシーンは信者目線でにやり。限りなくネタばれを回避して表現すれば、最初の入口とラストの出口がほぼ真逆でココまでキャッチコピーや宣伝の段階から観客を騙しにミスリードを張っている作品も稀だろう。全編で随所にかかるクリスマスソングの数々も重くなりがちなシーンを緩和させる役目を果たし、小道具や罠など上述した作品をかなり意識したと思わせる。作品の着地点自体のあーだこーだ感はこの作品の盲点にも思えるが、意外と変化球は抑え目だった。ラストの締め方自体でも、予想以上のその上をゆくツイストがかからない。ラストのラストでジョー・ペシの強盗役を連想させる監督の粋なはからいは、本作における最大のハイライトであった。最後のくだりもがっつり続編つくる気満々な、意欲心溢れるホームホラー映画である。
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