アイロス

天上人とアクト人 最後の戦いのアイロスのレビュー・感想・評価

2.0
今作、今日の京アニ作品が得意としている「日常性」が殆ど無く、ファンタジー要素に全振りしているのがまず驚き。
背景やエフェクトの上手さは流石京アニだと感心させられる反面、ムントを観ていないのでストーリーはともかく演出が全体的にのっぺりしていて正直暇なときが多かったかも…
他にもキャラクターの心理描写が地に足ついてなかったり、キャラクター自体もなんだかいまいち魅力的に思えなかったり…
しかしユメミが友人の危機を見つめている時に手を伸ばして水が弾け飛ぶカットなど、要所要所でハッとさせられる光る物があり、そういうのを大事にしてきたからこそ後のヒット作にも繋がっているんだなぁと思わされたり。

後にこの作品が京都アニメーションの劇場版デビュー作だと知り、いろんな抱いた感想が腑に落ちました。
壮大なファンタジーの世界観
地に足ついてないけど熱いメッセージ性のあるキャラクターの心理描写
自分たちにとって一体何が向いていて、何が向いていなかったのか?
作った後によく考えて判断し、これからの京アニの作風の舵取りをしたのだと思えてならないです。
この作品があったからこそ京アニは、今日までファンタジーとは正反対の「日常生活の中にある大切な物」を売りにしたけいおんや響け!ユーフォニアム等の名作たちも生まれたのではないでしょうか?
そういう意味ではスコアこそ低くあれ、今作は京アニにとって大きなターニングポイントとなった超重要で、存在意義が大いにある作品であると思います。
アイロス

アイロス