アイロスさんの映画レビュー・感想・評価

アイロス

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アイの歌声を聴かせて(2021年製作の映画)

4.0

「人が生み出す技術は人を幸せにする為にあるもの」という科学技術の根本的理念を真っ直ぐに描いた観た後は心が晴れやかになる良い作品でした。
前半は駆け足気味の展開でギャグシーンとドラマチックなシーンの切り
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

4.0

「ランボー」や「ニキータ」「レオン」等、社会から隔絶された孤独の苦悩を描いた帰還兵や殺し屋の映画は数あれど、
それでも別にいいじゃん!と開き直って生きていく痛快無比な作品は中々お目にかかれない。
殺し
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

てっきり黒澤明の「羅生門」のように各々の視点によって事実が変わっていくのかと思いきや
3つの視点全て見てもル・グリが明らかに悪いまま…で
そりゃラストの決闘はカルージュを応援してしまう…
負けたらどう
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.0

ストーリーが説明ありきで冗長気味だったことは1作目であり続編があることを考慮しても中々辛かったです。砂の惑星の世界観が見事に表現されていたりメカや建物のデザインは目を見張るものがあるので次作に期待。

白蛇:縁起(2019年製作の映画)

3.5

同じ日に日本初の長編カラーアニメ作品の方の「白蛇伝」を観たのですが、同じ物語の題材でも時代の移り変わりと技術の進歩でここまでブラッシュアップされるものなのか…と感嘆させられました。3Dの出来もディズニ>>続きを読む

白蛇伝(1958年製作の映画)

3.8

デフォルメされた動物のキャラクター達とは別に劇中で鳩が出てくるのですが、その鳩の動きが「本物か?」と思うほどものすごくリアルで驚きました。昔の作品だからといって侮れない、演出もアニメーションとしての動>>続きを読む

由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.5

何を尊重して伝えるべきか?また伝えないべきか?
人間としてどちらに価値を見出すか・それにより生きる姿勢は正しいのか?
そもそも自身が正しいと信じている価値観は限られた情報のみだけで抱いているだけで本当
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ルパン三世 カリオストロの城(1979年製作の映画)

4.0

何度も金曜ロードショーで観てましたが、改めて劇場で鑑賞しても初公開から40年以上も経つのに最新技術に堪えうる出来の作品であることにまず驚きました。

特に冒頭のカーチェイスシーンなんかは手書きアニメの
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君は永遠にそいつらより若い(2021年製作の映画)

3.8

就職内定が決まっている大学4年生というモラトリアム期間の中でまだ完全に捨てきっていない若さの情熱と至らぬ自身を見つめ直すアイデンティティの重さ
それでも生きようとする不器用さ故に伝わる愛
いろんなもの
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空白(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

劇中で「誰の方が正しくて間違っているのか?」
という論争が繰り広げられていましたが、そういう基準で物事を測れない境地に皆来てしまっていたんだろうなぁ…と
この物語で報われる人間なんか誰一人いないけど
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ゼイラム(1991年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

雨宮慶太監督の作品は「仮面ライダーZO」や「鳥人戦隊ジェットマン」等の東映特撮で拝見していてどれも大好きなんですが「ゼイラム」を見るのは今回が初めて
いや…東映特撮の時点でグロテスクな怪人のデザインを
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GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊 4Kリマスター版(1995年製作の映画)

4.0

いやぁ凄い映画だ…
中学生の頃だか昔深夜のTV放送で見たことがありましたが、何が何だかよくわからずとにかく難解な作品だという記憶しかありませんでした。
しかし今回劇場のIMAX上映で観ると寂れた未来の
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ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ 4K 完全無修正版(1975年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

世の中から排斥されたような男女のぎこちない、いじらしい、時にはすれ違ったり 時には周りから尚も疎ましがられても
それでも愛し合おうとする瞬間が、
この世界で1番美しいんじゃないかと思えるぐらい純粋に見
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リオの男(1964年製作の映画)

3.5

世代的にジャン=ポール・ベルモンドにはあまり馴染みがなく出演作もゴダールの映画しか観てなかったんですが
彼ってこんなにも身体張った芝居ができる、すごい俳優さんだったんですね…ゴダールの映画でキザな台詞
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シャイニング 北米公開版(1980年製作の映画)

3.5

キューブリックが撮る病的な程の整然としたレイアウトの映像から
徐々に狂っていく人間の精神を演じた役者陣の常軌を逸した様がものすごくアンバランスで観てるこっちも精神を揺さぶられる。
ホラーといえば「13
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サイコ・ゴアマン(2020年製作の映画)

3.5

物語の整合性も倫理観も何もかも投げ捨てたブッ飛んだ凄い映画です。
1980年代に流行ったスプラッター映画や往年のトロマ映画とも東映特撮とも言える特撮技術や着ぐるみの造形の味が出ていて懐かしい気持ちにな
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サイダーのように言葉が湧き上がる(2020年製作の映画)

3.5

先鋭的や革新的な物は無いかもしれないですが観た後にほっこりさせられる心温まる作品。
古典的なボーイ・ミーツ・ガールの物語を現代に準えながら
自身のコンプレックスやディスコミュニケーション等の、いつの時
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竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

3.0

「サマーウォーズ」からずっと繋がり続ける家族の愛の素晴らしさを描いてきた細田守監督が
今までやってきた題材を踏襲しつつ
「物理的にも、或いは心理的にも遠く離れた者同士でも芽生える愛の在り方」
を描いた
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愛のコリーダ 修復版(1976年製作の映画)

3.5

「戦場のメリークリスマス」がロマンティックなホモセクシャルの愛を描いた作品であるのに対して
本作はひたすら生々しいヘテロセクシャルの偏愛を描いた怪作なのかもしれない。
殺してもいいと思える程の狂おしい
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ファーザー(2020年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

認知症患者が抱える孤独と不安を追体験できる
誰しもが経験する可能性があるからこそ下手なホラー映画よりも怖い作品だった。
でもそれだけじゃなく、そんな抱えている孤独と不安
同時にその患者の周囲の人間の気
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劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

この作品に関しては、TVシリーズを鑑賞したときに唯一不満点がありました
それは、ヴァイオレットが少佐を想う気持ちに感情移入ができなかった点です
少佐は彼女を道具としてではなく、人間として生きる道を与え
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日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)

4.0

下っ端から見た戦争の映画ばかり撮っている岡本喜八が権力側から戦争をアプローチしている異色作。
信念と信念のぶつかり合い。やがてその信念から向かっていく狂気…物凄い熱量を感じました
特に畑中少佐役の黒沢
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バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年製作の映画)

4.5

初めて観たんですが、めちゃくちゃ面白い…
ジョージが成長するまでの物語の展開運びも丁寧だし、ここであのマーティのギターの特技が活きるのか!という伏線の張り方も見事としか言いようがないです。
最後の最後
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

4.0

この映画よくシネコンに流せる段階まで企画通ったなぁ…
こういうジャンルの映画って、一昔前はミニシアター系で上映してるイメージだったんですけど、時代が進むにつれ作品の多様化が進んだんですかね…

と、序
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劇場版 SHIROBAKO(2020年製作の映画)

3.7

良くも悪くもTVシリーズと同じいつものSHIROBAKOといった感じの作風。
時代や環境は変われど、決して変わることない宮森達やムサ二の人達のアニメに対する情熱がひしひしと感じられました。
ただ、いろ
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この世界の(さらにいくつもの)片隅に(2019年製作の映画)

4.5

私事ですが昨日「ジョジョ・ラビット」も観てきたのでどうしても今作と共通したり、比較してしまう部分が多く現れたりして…
どちらもその時代の空気やしきたりに翻弄されつつも、最後は自分で自由を掴み取るジョジ
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.0

ナチスに影響されて、憧れて、背伸びする少年が初恋を経て自分で愛する人と共に、自由に生きていくことを決められるまで成長する甘酸っぱい青春ラブストーリー。最初はブラックユーモアにまみれた戦争コメディかと思>>続きを読む

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

3.8

久々に映画館で観て良かったとも、映画館で観ないと良さがわからないだろうな…とも思えたのは「ダンケルク」以来かもしれない。1シーン1カットだからこそ自分もその場にいるんじゃないかと錯覚してしまう程の迫り>>続きを読む

七人の侍(1954年製作の映画)

4.0

今回4Kデジタル上映で鑑賞すると今まで見えなかった水溜りの波紋や役者の皺まで鮮明に映し出されていて、それらがより一層ドラマを引き立たせて、昔DVDで観たときよりも遥かに面白く思えました。
当時上映から
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マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

4.5

正直、その辺のSF映画や戦争映画を観るよりもどっと疲れた…
結婚とは?離婚とは?夫婦の在り方とは?を真正面から描いた熱量溢れる作品です。
夫婦のどちらかが一方的に悪人なわけでも、また善人なわけでもない
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

3.5

韓国の格差社会問題を作品に落とし込めるだけでこんなにもカオスで、エネルギッシュなものができるのかという驚き…あの国の実情がそれだけでも窺い知れます。
金持ち一家は皆時間も場所もバラバラに食事をするのに
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天上人とアクト人 最後の戦い(2009年製作の映画)

2.0

今作、今日の京アニ作品が得意としている「日常性」が殆ど無く、ファンタジー要素に全振りしているのがまず驚き。
背景やエフェクトの上手さは流石京アニだと感心させられる反面、ムントを観ていないのでストーリー
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涼宮ハルヒの消失(2010年製作の映画)

4.7

キョンにとって、長門にとってハルヒ率いるSOS団としての日々がどれだけ重要な物だったかをハルヒに綴ったかのような、恨み節も愛おしさも全部含めた熟年夫婦のラブレターのような大作だった

ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)

5.0

多少の脚色ありとはいえああいう事件が本当に起こってしまったんだ…というどんよりとした気持ちになる作品。淡々と殺されていく人々・家族や宗教の大義名分の為に任務を遂行するテロリスト 何もかもがやるせなさ過>>続きを読む

アイリッシュマン(2019年製作の映画)

3.0

デニーロやジョーペシ・アルパチーノ等そうそうたるメンツで一体どんな映画をやるのかと思っていたら、組織の中間管理職の苦悩をまざまざと描いたなんとも地に足ついた話だなぁ…と
板挟みの中健気に頑張るデニーロ
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IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(2019年製作の映画)

3.0

まるで「エイリアン」から「エイリアン2」への変遷を彷彿とさせるようなパワーアップの仕方。まさしくこれも今度は戦争だった…
劇中のペニーワイズ率いるモンスター軍団は怖いというより最早また出やがったな!み
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