marina

娼年のmarinaのレビュー・感想・評価

娼年(2018年製作の映画)
3.7
女性が1番満足感を感じるのは、男性がエクスタシーを迎える瞬間、と何かで読んだことがありますが、なんと幸福に満ちた桃李くんの演技だったでしょう。
フィニッシュであんなに切なく名前を連呼されたら、女達はさぞ満足を感じると思う。リョウが女達と向き合ってた証拠だ。

静香さんも、咲良も、ヒロミさんもイツキさんもメグミも…、女性陣が全員たまらなくよかった。
女と向き合う作品あるべく、一人ひとり個性をもっていたし(下着のチョイスもまた良かった)、石田衣良の描写通りに眺めてしまった。遠慮のない寄りの映像は、映画館画面いっぱいに〝あるひとりの女〟を映し出していました。

そしてアズマはとっても可愛いし、クラブパッションの所属ボーイたちの宣材写真は巻き戻して眺めたいくらい可愛かった。

原作を読んだあとだからなお、楽しめる映画でした。
イメージカラーを、淡い水色から深い青にしたのは、雰囲気にも、私の好みにも(笑)合っていてとても良かった。

あえて言うならば、あの手技と、高速ピストンが高級コールボーイのテクニックだとは思いたくないということ。相手の反応や細やかな機微を汲んだ、2人で創る素晴らしいセックスがあれだったのかは演出ということを鑑みても甚だ疑問。
個人的には、初回のテストの尺よりも、ギムレット勝負とかリョウの普通さ特別さを演出するようなエピソードの尺が欲しかったな。セックスの比較から伝わる情報がそこまで多くない気が。
原作ファンとして楽しめた評価になりました。
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