夏に観たけれど、素直に面白かった。劇場には結構家族客・特に親子連れが多くてその話題の程を思い知った思い出。
前半、観ている間中ひしひし「これは何…？」という感慨を抱かされてからの後半の盛り返しが素晴らしい。思い返せば、偶発性を感じさせるカットも含めての手作り感もかなりいい味を醸していたなぁと。
最大にグッと来たのは、「何か命を賭けて打ち込んでいれば、必ず何らかの運は巡ってくる」というテーマ。カメラを止めない限り、常に勝負に出ている限り我々は負けないのだ！！という、作品が纏う渾身の気迫に参りました。この主題が最善のかたちで伝えられる場面、最後の組体操シーンで思わず笑い泣きしたし、俺もまだ頑張ろうという気持ちになれた。フィクション作品であるにせよ、観客として観ていて前向きな気持ちになれるものは今も確かに産出されているのだと思えばまた嬉しくなる。『SR サイタマノラッパー』といい、個人的にはこういう低予算で撮られたものにぐっと惹かれる可能性が高いのだなぁとつくづく。
