Hikari

ファントム・スレッドのHikariのレビュー・感想・評価

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)
3.5
気になっていた、ファムファタール作品。
dTVで3/6まで配信作品だったので、滑り込みで鑑賞。

仏文時代に、ファムファタールの文学作品を好んで読んで
よくレポートとか出してたな〜と
アルマがだんだんと魔性の女感出してきたところでワクワク。

でもこの映画、ファムファタールというよりも
50年代のロンドン、煌びやかなオートクチュールの世界観の方が
最終的に楽しめました。

序盤のシーン、
レイノルズの性格が手に取るようにわかる、細かく正確な描写。
岡田斗司夫のプラダを着た悪魔の冒頭シーンの解説を思い出した。

あんな几帳面なレイノルズには釣り合わないし
明らか、オートクチュールドレスなんて縁がなさそうなアルマの姿に、
私の思っていた映画と違うと少しげんなり…
しかし中盤から、どんどんアルマが進化していく!

表立って変わっていっているわけではないのだけど、
表情の作り方やカメラワークで
もっとレイノルズを自分のものにしたいアルマの
強気な姿勢がうまく表現されていました。

最終狂っているアルマに対し
それを越すレベルに狂っていくレイノルズも圧巻。
ここまで一人の人を愛せるのもすごいし
実際に考えたとしても実行に移せる実行力にも脱帽。

ファムファタール作品の中では、比較的狂ってはいない方だし
ファッショナブルな描写の方が多いので
映像作品としても楽しめるのが魅力の映画でした。
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