圍城のあらすじ

香港・新界地区の低所得者層が暮らすティンスイワイ（天水圍）。そこに住むリンはごく普通の中学生だが、家庭内に様々な問題を抱えていた。ギャンブル好きの父親は日常的に暴力をふるい、心が病んでいる母親の面倒も見なければならない。弟のジュンは学校でいじめを受け、家では父親の虐待を受けている…リンは現実逃避するしかなく、勉強に没頭し、ただ天水圍から抜け出すことだけを考えていた。ある日、父親から暴力を受けて家を出たジュンはパナドルと名乗る少女に出会う。彼女は不良グループのリーダー的存在で、彼女自身も父親から性的虐待を受けて家出していた。ジュンは彼女に誘われ不良グループに入り、仲間達と浮浪生活を送るようになる。同じ痛みを持つ仲間との暮らしにやっと自分の居場所を見つけたジュンだったが、パナドルが麻薬の密売に手を出してしまったことで穏やかだった生活が崩れ、裏社会の抗争に巻き込まれていく。不良グループはマフィアから追われることになり、兄・リンにも彼らの追っ手が迫る…