美しさとおぞましさ
鉄の心を持ち、仮初の願いを持った男は折れることの無い誓いを初めて曲げる。
一人の少女のためのヒーローに。
100の人間を救うために1人を切り捨てる存在が1人のために100の人間を見捨てる
この心の反転がHFというFate/SNという物語の最後を飾るにふさわしい章だと改めて思った。
人間を超越した英霊たちによる圧巻の戦闘シーン、今までも十二分にその映像美は進化してたが、今回でもその映像美は更に上のレベルに至って、ufotableスタッフの飽くなき探求心を感じれた。
そして、イリヤの可愛さよ。
彼女と士郎のやり取りが全てを分かった上で見ているととても愛らしく、そして切なくなる。彼女の冬の妖精のような笑顔の裏の愛憎渦巻く心の裡が想像するだけで込み上げるものがある。
桜の描写も少女のような愛らしさ、年頃の娘のようないじらしさ、娼婦のような淫靡さ。これらの描写を完璧以上にやり遂げたことを褒めたい。
続く3章が待ち遠しい。
