脚本家を目指して徳島から上京した利幸。だが、その才能は花開くことなくただ時だけが過ぎた。アルバイトの日々に疲れたある日。居酒屋でやけ酒を煽る。カウンターの中に並ぶ日本酒の瓶を眺めながら故郷の風景を思い出していた。そんな折、地元の父の後輩から一本の電話が…「たまには田舎に帰ってこい」話を聞くと、父の杜氏の仕事は去年で最後だったと言う。急に蔵を閉めた父の意向に利幸は釈然としなかった。田舎の空気に包まれやがて日本酒の素晴らしさに改めて気付く利幸は、この現実を世の中に伝えたいと強く思う。「父の酒造りを描こう」そして、酒造りを記録として映像に残す運動を彼女の明美と共に始める。