猫本猫男

銀魂2 掟は破るためにこそあるの猫本猫男のレビュー・感想・評価

2.0
基本的に短評派だが、今回は長文で失礼する。
なぜ今更銀魂2のレビューなのかといえば、「なんかふと思い出してイライラしたから」である。
私自身、大の原作・アニメファンである。原作と実写は全くの別物という認識もあるが、ここでは原作ファンとしてレビューさせていただく。
なぜならば、この映画には原作への敬愛が随所に感じられるからだ。
進撃の巨人のように海外向けを意識して、まったく別物の映画を製作している訳ではない。
中でもキャラクターのビジュアルは素晴らしい。
配役も一定の福田組常連を除けば、実写映画の中では抜群なクオリティを誇っている。特に又子は2.5次元まで責めてきている。
原作人気と、若手俳優の起用、新進気鋭のコメディ監督でパート1は成功を収めたようで、パート2では予算もあがり、ストーリー、キャラクターもより豊富になっている。
しかし、妥協面が見られるのがイラつかせる。
パート2にて、1で史上最悪のくそ実写CG定春を排除したのは正しい選択だったと思う。あれ一つで映画そのものが台無しになる。邦画が未だに辿っている愚かさでもある。
銀魂の良いところは、ほんとにしょーもない豊富なコントとギャグ、と強すぎる面々たちのアクション、の中のまたギャグ、であると思われる。
終始コントで通せば、触らぬ神で済みそうだが、そうはいかない。それは原作にも言えることだ。
当初ギャグ漫画路線を走っていたが、いつぞやかアクション路線にシフトチェンジしていた。
実写映画もアクションを売りにしている部分があったが、ここが一番気に入らない妥協点と思われる。
銀時と万斉の戦闘シーンにて、アクション俳優といっても過言ではない窪田正孝の味が無味で終わっている。
迫力を際立たせてるつもりなのか、アクションの8割をスローモーションでごまかし、フィールドも色がなく、戦闘情景が素人のようだった。
なぜここを妥協したのか。次もアクションをやろうとしているのならば、せめてるろ剣のアクション監督を起用してほしい。
ここが邦画が世界の映画界から遅れをとっている部分だと感じる。
もし、妥協ではなく演出としているのなら、ぜひやめていただきたい。銀魂はもっと血しぶきが噴き出る漫画だ。
もう一つは、主演の小栗旬だ。
銀時ではなく、いつもの小栗なのだ。
銀時といえば、死んだ魚のような目をしただらけた人間が、しょーもないコントを連発し、時に侍魂をみせ、時に白夜叉という恐怖の存在に変わるのが魅力的なキャラクターだが、
この実写の銀時は、銀時ではなく、ずっと小栗なのだ。
これはキムタク現象と同じである。映画の小栗は、舞台の小栗と違い、表情の高低差がない。
ずっと小栗なのだ!

どうせパート3やるだろうから、原作見返してほしいと思った今日このごろ。

以上。
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