あやと

ミッシングのあやとのレビュー・感想・評価

ミッシング(1982年製作の映画)
3.1
「Z」「告白」「戒厳令」など国家、政治、軍事に翻弄される人間を描いてきたギリシャのコスタ・ガヴラス監督初の米国進出作品。

実話がベースとなってます。1973年9月チリの軍事クーデター勃発、民主的に選出されたアジェンデ政権は崩壊し戒厳令がしかれ、軍事統制により市民の逮捕・拷問・虐殺が日常化、国は秩序を失ってしまう。そんな中、アメリカから来ていた青年が行方不明に。彼の妻と彼の父親が捜索を始めたのだが、ニクソン、キッシンジャー、米国国務省は軍事政権を後押しすることが自国の権益であるため、大使館を通じての捜索に非協力的、全く役に立たない。

息子への愛情と生還を願う強い思い、大使館への不信がつのり異国の地で頼れるものが無くなり、もがきながら自力で手がかりを突き止めていく勇気に感動がある。捜索を進めていくうちに父と息子と娘のわだかまりが徐々に解けて、家族の絆が深まっていく過程もとても良い。

ジャック・レモンとシシー・スペイセクは名演。
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