シゲフジ

カメラが捉えたキューバのシゲフジのレビュー・感想・評価

カメラが捉えたキューバ(2017年製作の映画)
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イデオロギーの狭間ですり減っていく人々。全てがうまく行っているように見えたのに…バラバラになっていく人たちを見るのは辛い。そして彼らの行き着く先にあるのはDo It Yourselfだった。亡命するもの、会社を起こすもの。あの牛はどうやって手に入れたのか。作中では「家の自己修繕」の資材を売るという稼業と、それがもたらす「自力による生活の改善」のダブルミーニングとして、DIYが響く。観光業からキューバ人のための仕事へ。

やはり自分に手の届く範囲でのアナキズムは大切なのだ。人に決められたことに従うだけでは、きっと苦しい。それがどんな陣営であっても。

自分がおばあちゃんっ子だったからか、おじいさん三兄弟のエピソードは最早腕相撲してるだけでも涙出る。最後、お婆さんに勝たせる監督。とにかくあかるくて、つらい。どうか達者でいてほしい。
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