けい

千と千尋の神隠しのけいのレビュー・感想・評価

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)
5.0
レベルが違う…。車窓から見える電光看板や美しい容姿のハクは少し色褪せて見えてしまったけども、人間や世界の描き方は全く色褪せていない。SNSが普及した今、あの湯婆婆が鬱陶しく見えない。あれほど言葉の重みを追求する人が自分の身近にいないからだろうか。少し前までは「言ったな。言ったからな」という鬱陶しい大人が確かにいた。あの大人達の代わりを、きっと湯婆婆が担ってくれた。そりゃムカつくけども、そんな自分はあの湯屋で生き残れないだろう。千尋が凄く立派に見えるのは、混沌な世界でも真っ直ぐ生きようとする力強さを作品の随所で感じられるからだ。鑑賞後はなんだか少し強くなれた気がする。普通の少女である千尋に自分の姿を重ねて見てしまっていたのだろう。
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