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黒い箱のアリスのmのレビュー・感想・評価

黒い箱のアリス(2017年製作の映画)
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わたしとした事が、最後まで行き着かず1週間かけて5回は繰り返しました www夜見てると寝ちゃう wwwが



世界観はすごい好き!!
なんたって、おうちのデザインめちゃくちゃかっこいいし、黒い箱が細かな立方体になりながら変形していく様子とか、青みがかった風景とか、喋る犬とそれをお母さんと呼んじゃってるところとか。

たくさんのものを喪失していて、それが肉親のせいである事、罪悪感を一生背負っていく父親と、腕を失った思春期の女の子。

父は自分のせいで最愛の妻を亡くし、生き残った娘のために一生懸命なのに、それが思春期の娘には裏目に出てる。
最先端の義手をつけられ、自分が自分じゃなくなる感覚とか、自分のテリトリーに他人が入ってくる事とか、思春期っていう多感な時期に変化を嫌うのはうなずける。


ストーリーに関しては、初っ端から素手でガラス戸をベタベタ触るアホな強盗だなあ、って思った。これが結構ポイントだったりする。

喋れない弟とアリスの関係性も良かった。短い時間だけど、弟がアリスに同情して、力になりたいって思ったのは純粋な本心だと思いたい。(姉に指示された計算のように表現されてるけど)アリスの思い通りにならない歯痒さと、それを受け止めてなお忍耐強く寄り添ってくれる様子を計画通りだと思いたくない。

父親のどこにも行き場のない孤独感のうえ、安らぎを求めてしまうのはわからなくない。事故という過去、取り返しのつかない過古のことを常に娘に攻められて、娘は愛犬をママと呼んで生活してる。もうとんでもない当て付けだよね。
そこで、描かれてないけど、美しい姉弟が現れ、えりかに関しては多分父の孤独感に寄り添ったんだろう。(こっちは計算でいい)そしたら父がころっと靡いてしまう気持ちわかる。


殺害を決行する夜のサイレントなのがまた良い。ガラス張りの家がいい味出してる。
犬がーって逃げてくる弟面白すぎる。作戦は一筋縄でいかないのが、よくわかる。


過去と現在の自分とは、会話しちゃいけないとか、姿を見せちゃいけないとかあるのかな?タイムパラドックス起きちゃうてきな?自分自身かもと思わせるだけで確定しないことで、タイムパラドックスを防いだのかな??アリス賢いw
いやでも後半対面しちゃってるしな www

アリスの死体をみたお父さんの演技がとっても素晴らしいので見どころ。
狼狽するってこういうことだよねって。
死体をみた人って普通はこうなるよね。

それに、得体の知れないものを父親という立場の威厳を保ちながら理解しようと努力しているシーン、声色と冷静な言葉選びしているけれど、手が小刻みに震えているところとか、すごすぎ。細かい演技がリアル。



とても良い世界観だけど万人受けしないと思う。現にわたしもラストまで行くのにめちゃくちゃ時間かかったし笑
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