アベベチゴベナ

未来のミライのアベベチゴベナのレビュー・感想・評価

未来のミライ(2018年製作の映画)
5.0
時かけっぽさとか、サマーウォーズっぽさ、を期待すると面食らうと思います。

細田監督自身のキャリア的にも映画的にも新しいものへの挑戦ってのは、特に「おおかみ〜」から強く感じていて、今回もテーマを絞って、散文的なホームドラマとSFの合わせ技でした。
散文的と言えば、リンクレイター監督の「6歳の〜」に似ている感触を感じました。

終盤で急に説明的になっていることが少し鼻につかなくもなかったですが、散文的になっていたところを締めるには必要だったのかなとも思いました。老若男女とくに子供も観る作品だろうし、必要なんでしょうきっと。
あと劇場初日で、ほぼ満員の環境で観ましたが笑いの量が少なかったかもしれないです。ギャグは映画の面白さとは直接関係ないかもしれませんが、もう少しあった方が私の好みではあります。


作品とは別に、特に宣伝がミスリードだと思っていて、日本の夏の大作アニメは制服を着た女子中高生のSFっていう呪縛に囚われすぎではないでしょうか。今回は特に、未来のミライちゃんがあの年齢である必然性を感じなく、違和感がありました。
「細田版時かけ」以降なんでしょうか、「君の名は」でより呪縛が強まったのでしょうか…。ちょっと毎年毎年胸焼けします。昨年の花火のアレはアレなアレでしたし……。


変なバランスの映画と言ってしまえば簡単ですが、細田監督は、毎回チャレンジングで新しいものを見せようとしてくれるので、今回も新しいものが見れて満足しました。日本アニメ史に残る新しい大傑作を期待しつつ、リアルタイムでしっかり追おうと改めて思いました。

めちゃくちゃに酷評されるような映画ではないかな。