とうがらし

イカルイトのとうがらしのレビュー・感想・評価

イカルイト(2016年製作の映画)
3.3
妻が、警察のずさんな捜査や検死の結果に納得がいかず、夫の死の真相を突き止めようとする話。

真相の明かし方(回想の内容)が少々雑だが、真相が何かを知ることはあまり重要ではない。
真相を探る過程で人を信じられなくなり、徐々に疲弊し、大自然で先住民族(イヌイット)と交流して荒んだ心がほぐれてくるも…どうにもならない虚無感に包まれる。
妻の心模様を通じて、先住民族と白人、本能と理性、自然と文明の相克が描かれるのが物語のメイン。

ロバート・フラハティ監督「極北のナヌーク」はもちろんのこと、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督「バベル」「21グラム」やシャンタル・アケルマン監督「囚われの女」「アンナの出会い」、黒澤明監督「デルス・ウザーラ」からの影響を感じる。

予告編
https://www.youtube.com/watch?v=7I2nXGTEmAA
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