久々の中国映画。倭寇が素材ということで見てみるが、期待以上の作品で、間違いなく近年の中国映画で頭ひとつ抜けた出来だ。
特筆すべきは倭寇の実態を日本人キャストを使うこと、言語も両国双方用いて、東アジアの海賊集団としての混成軍ぶりを見事に描いている。
また、中国の義侠心をくすぐる話や日本人の武士の有り様も大名に属すものと浪人の違いなどをよく見せていている。
アクションやキャラも手堅く満足度が高い。
藩なりの言葉は、明王朝側にもあるので、許容範囲だろう。エンタメと作り込み、構成がそれをあまり気にさせない。
倭寇だから、単に敵役だから日本が極悪に描かれると思い敬遠するなら、もったいない作品である。