脳死を本当の意味で人の死として受け止められるか。この映画を見て、ますますわからなくなった。
最初から最後まで、瑞穂と自分の子を重ねてしまい、苦しくて苦しくて涙が止まらなかった。
序盤、神の領域に踏み込む彼女たちの狂行を、温かい色合いとほんわかとした音楽で中和するかのように演出されていたけれど、正直最初から違和感と恐怖しか感じなかった。それがあからさまに暗転した瞬間の演出もこれまた鳥肌もの。
酷く気味の悪い治療法ではあるが、では、自分が薫子と同じ環境、財力、技術を得たら、同じことをせずにいられるだろうか。
きっと、何の疑いを持たずに全身全霊をかけて彼女を守るだろう。そこで得られるものが、たとえ偽りの笑みだとしても。
篠原涼子の演技が圧巻!
自分の子が脳死したら、どうするだろうか…と考えたけれど、いつまでたっても答えは出せそうにない。骨太な社会派映画。