公開前のテレビ版でも既にオールスターズをやっていて、
映画をこのタイミングでするというのは、
食傷気味になるか、やることなくしてたりするのかなと思っていた。
全然そんなことはない。
映画オールスターズをするだけの価値がある。
長くシリーズが続いた全員集合物は、
キャストがオリジナルでなかったり、
期待してた展開をなかなかやってくれなかったりするが、
本作はそういう「全員集合物に対しての期待」にすべて答えている。
赤ん坊の世話が大変な母親の描写も上手く、
圧のある愛ではなく相手に寄り添うエールならではの愛というHUGプリのテーマにも添えている。
なぎさとほのかの続きとしても良い。
何より、今までのミラクルライトは、
あくまで作中の民衆の中に紛れ込んで応援するイメージだったが、
本作では15周年の、オールスターズということを踏まえて、
第四の壁を叩き、こちらに語りかけてくる。
応援するのは作中には誰もいない。
自分しかいない。
プリキュア頑張れ、だけなら「他の奴らが応援するだろう」と思う。
現行のハグプリを応援するだけなら幼女先輩たちに任せていればいい。
でもそうじゃなくて、作中で求められる応援は、
「お前たちがあの時応援していた好きなプリキュア」への応援。
本作の応援には「思い出」がキーとなっている。
その人のことを知る人が応援しなければならない。
劇場で10年以上前のドリームたちの戦いを覚えている人はいるのか?
自分が応援しなければならない、という気持ち。
あの時、好きだった気持ちが、
見てきた経験が思い出として、応援に役立つ。
そういう、「シリーズ物を追いかけてきた者への最高の機会」を与えてくれる。
今までの視聴は無駄ではなかったと思わせてくれる。
素晴らしい映画だったと思う。