やっぱりカルカン

万引き家族のやっぱりカルカンのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.0
2回目の視聴。きちんとした家で育った人は細かい描写に嫌悪感を抱くかもしれないが、自分は子供の頃ヤバい家庭で育ったので、どこかワクワクするような温かいような羨ましいような気持ちになる。
今でもそう思うが、中学生か高校生ぐらいの年齢の時に家から飛び出してこの映画のようにはぐれ者ばっかり集まってなんとか生活していけないかと思ったものだ。

生まれる家はリセマラ禁止の1回限定ガチャ。現実的にはりん(じゅり)の家も嫌だし、リリー・フランキーの家も嫌だし、松岡茉優の家も嫌だし、つまり実の父親と母親がいて、それなりにお金があって、家族仲良く、殴られたり蹴られたりせず、寒風吹きすさぶ家の外に一日放り出される事もなく、ご飯を食べさせてもらえて、きちんと学校に通える家に生まれた人が大当たりで勝ち組なんだって事。
家なんか関係ない、自分の道は自分で切り拓け!という人もいるがそんなのは自分をしっかり持っている人だけ。アカン家に生まれた人は大多数の人が自分を見失っている。

ずっと画面全体が暗いのが良い。冬、夏、雨や雪、夕陽、夜など季節・天気の描写が秀逸。どの登場人物にも共感でき何回見ても刺さる映画のひとつ。

録画: NHK BSプレミアム
2020年12月14日(月) 午後1:00~午後2:58(118分)
カンヌ映画祭パルム・ドール受賞。是枝裕和監督が、万引き常習犯の男の一家を通して、人と人とのつながり、家族の在り方を描き、国際的に高く評価された衝撃の感動作。

製作年:2018
【監督】是枝裕和,【出演】リリー・フランキー,安藤サクラ,松岡茉優,城桧吏,佐々木みゆ,樹木希林,【原案】是枝裕和,【脚本】是枝裕和,【音楽】細野晴臣