桧吏くんのファンで是枝監督のファンであったのでずっと楽しみにしていた映画でした。
すでに2回鑑賞したけど、1回目よりもより一層好きになった。3回目も楽しみだな。
この映画の面白いところは、小汚い格好をした、学校にも行けない子供を演じるのが、愛されて育ったのが丸わかりの端正な美少年だから、社会派テーマが一種のファンタジーへと昇華されて、映画作品として完成されたものとなっている点だと私は思います。
あんまりにリアリティとファンタジックさのバランスが完璧すぎて、恐ろしさを感じた。
かいりくんが演じたからこそ、東京の片隅で刺々しくない生命力をもった少年像に仕上がってる。
かいりくんの生まれ持った哀愁と最高にかわいい声と喋り方でしか表現できない祥太がいた。
雑草みたいに図太くて強いけどちょっと触れたらすぐに壊れちゃうような儚い儚い家族のひとりひとりが心の中に侵入してきて、それぞれの背景にやっと手に入れられたような愛とか絆を感じてしまって本当に痛い。
ずっと余韻に浸れるし、何回見てもシーンの切り替えや台詞の1つ1つに惚れ惚れしてしまうような作品だと思う。
見えない花火に向かってジャンプする少年を上からのアングルで撮れる監督はきっと後にも先にもいない。
一番好きなシーンは、ラムネ飲み歩く商店街から押入れの中への切り替えの部分。
是枝監督ありがとう。
あと、この映画見たら安藤サクラの母性にやられます。抱きしめられたい。大好き