レオポルド

万引き家族のレオポルドのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.4
「ほぉ…これは…なかなかどうして…
是枝監督は遂にドキュファンタジーを極めなすったな…生唾ごくり…」
この映画を見てそう思いました。

ファンタジーだけど、ドキュメンタリー作品ならではの人物やテーマから伝わるパワーを持つ映画。これをドキュファンタジーと呼ぶことに決めました!

子役ってよく演技の下手さを隠すために、全く喋らない、または敬語でしか喋らない等、普通じゃない設定の役にさせがちだけど、是枝作品は毎回自然な子供が映し出される。これって本当に凄いことで、他の監督作品で観たことないですよね!

子役に台本を渡さないで大まかな流れを説明したり、現場で偶然撮れたものを軸に脚本を変更したりするのが是枝流らしい。
「お゛に゛い゛ぢゃん!」からの蝉のシーン、偶然撮れたらしいけど凄かったもんね!

樹木希林も凄くて、樹木希林なんだけど演技してる。動きと台詞が洗礼されている、落語家を見ているような気持ちになりました。

日本の社会問題をテーマにしつつも、海、花火、風呂、散髪、食卓など印象に残るシーンが沢山ある。
ドキュメンタリー出身の是枝監督だからこそできる映画ですね。
音楽もよかったです。

ポスターの家族写真、とてもステキです!