吉倉光希

万引き家族の吉倉光希のレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
5.0
結局、本当の家族ってなんなんだろう。

おばあさんの真意が見えなかった。

けれど、きっと警察たちは「偽りの家族」から確かに居場所を奪ったし、父母役はあの事件から確かに絆にヒビを入れたんだと思う。
それでも、凛ちゃんにとっては確かに救いの場所だった。
警察の言葉は本当に正しかったのだろうか。
人は、家族の元にいることだけが本当に救いになるんだろうか。

そんなことを、ぼんやりと考える。

「震災の時期に、家族の絆に落ち着いたのが納得いかなかった」
その言葉を知ったあとだと、ああ、ここまで「怒り」を感じる作品をあたしは知らないな、と思うんだ。

泣ける感動作、ってわけじゃない。
あたしたちの胸に深く突き刺さって離れない。
そんな映画だった。
吉倉光希

吉倉光希