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万引き家族のTAKAのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.3
2018-109-099-010
2018.6.27 TC日比谷 Scr.1

・今そこにあるリアル。
・手を差し伸べることが出来るか。
・今そこにあるリアル。答えは?
(追記。)
・キャスト好演(^_^)

今そこにあるリアルを描いた作品。(^_^)

本作で描かれている事象は、取り立てて珍しいものではないと思います。
昨今のニュース等でよく報道されている類いの話。

まさしく今そこにあるリアルを描いた本作。
まさに今創るべきで
今観るべき作品かな。(^_^)

ホントにどのエピソードも、ニュースで見聞きしたようなものばかりです。
悲しいことに。
そしてそれがあまりにも普通に、
あまりにも当たり前に描かれてる。

言うまでもなく万引きは悪いことです。
そこに弁護の余地はない。
だけど・・・

コロッケ食べる?って、言えるかな。
そのあと家に連れて帰って、
ご飯食べさせて、
お風呂に入れてあげられるかな。
俺?

出来ないです。
「常識」の世界で生きてるので。
普段、いい年こいて
フワッホー♪(* ̄∇ ̄)ノ♪
とか言っちゃってるけど、一応( ̄▽ ̄;)(笑)

コロッケはあげられるかもしれない。
だけど中途半端に情を示すのは嫌だ。
家には連れ帰れない。
誘拐犯にされてしまうかもしれない。
それが今の日本の「常識」だと思います。少なくとも都市部では。

だけどあの娘の為にはなにが1番良かったんだろ。
警察に電話して。
親との間を行ったり来たりして。
最終的には施設に行って。
うん。施設に行けば泥棒せずに済む。
だけど・・・

楽しかったろうな。あの娘。
お兄ちゃんと遊んで。
みんなで海に行って。

あんな笑顔にしてあげられたかな。
警察に連絡して。
少なくとも施設で落ち着くまでの間は、難しいのではないかな。

あの娘が我慢しないといけない理由なんて、何もない。
樹木希林さんのおばあちゃんもそう。
楽しかったんだよ。きっと。

何だかなって、忸怩たる思いを感じちゃう。
理屈じゃなく打算でもない愛情を示せたのが、リリーさんと安藤サクラみたいなアウトローな感じの人達だったってことに。

多分彼等だけなんだよ。
リスクしょいこんでもずっと面倒みようなんて思えるのは。
ま、あんまり考えてなかったのかもしれないけどf(^_^;(苦笑)

そして・・・
彼等も何とかしてあげられればいいよな。
勿論、大人なんだから自分の責任。
社会は結果の平等なんて保証出来ない。
だけど・・・リリーさんには前科があって、色々とうまく行かなかったのかな・・・なんて思ったりもする。

紙一重なんだよ。
「常識」の中か外かなんて。

だから、
常識の中だけを当然と単純に信じきって
バカ丸出しで喋るあの刑事には
本当に嫌悪感を覚えた。

それはそうと、また子供達に話を戻すと・・・

やはり、リリーさん達がとった行動は、あの娘達にとって一概に間違ってるとは思えない。
将来のこととか考えたら間違ってる。
泥棒を覚える必要、ないものね。
だけどあの時あの娘に必要だったのは、
愛情。たとえひとときでも。
家族。それが嘘の疑似家族でも。

松岡茉優の家だって、立派な疑似家族だった訳で。

そんな疑似家族を描くことで、
現代の日本のリアルを描いてみせた本作。

何が正解なんだろ。
答えは・・・あるのかな?

追記。
・キャスト、皆さん好演でしたね。
でもやっぱ、本作は子役は反則♪って奴かな。
安藤サクラさんも凄かったし。
松岡茉優さんも覚醒しちゃってるかな(^_^)
何気にいきなり緒形直人や池松壮亮や高良健吾が現れたり、ビックリした。
(゜ロ゜)
そんないい役者さん達や子役の子達、これからも作品みるのが楽しみ~(^_^)
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