映画の味方あっつマン

万引き家族の映画の味方あっつマンのレビュー・感想・評価

万引き家族(2018年製作の映画)
4.0
治と息子の祥太は万引きを終えた帰り道で、寒さに震えるじゅりを見掛け家に連れて帰る。見ず知らずの子供と帰ってきた夫に困惑する信代は、傷だらけの彼女を見て世話をすることにする。信代の妹の亜紀を含めた一家は、初枝の年金を頼りに生活していたが——。

日本人監督作品としては、「うなぎ」以来21年ぶりにカンヌ国際映画祭で、パルムドールを獲得した。「地獄門」「影武者」「楢山節考」「うなぎ」に続く、5作品名となる快挙。

いま、細田守監督の新作「未来のミライ」も公開が始まっている(まだ未見)。細田監督も是枝監督も、家族の物語を得意とする監督だが、両者の家族感は、随分と違っている。

細田監督は「絆」があればオールオッケーで、是枝監督は「絆」の限界を描いているように思う。是枝監督は、「万引き家族」でこれまで以上に限界ギリギリを攻めているように感じられた。

カンヌでは社会的な問題意識と、それに伴う残酷なまでの描写のある作品が選ばれがちだ(コネも大事だが)。本作では、貧困、育児問題など、社会的な視点もテーマに盛り込まれているのが高評価につながったのではないか、な。

「万引き家族」というタイトルには、二重の意味があったと思うけど、どうだろう。万引きと呼ぶには、重いけれど。