たしか一昨年の公開前からカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞したってすごい話題になってて、その時に観るつもりやったのになぜか気がつけば今頃観賞。
前評判通り家族の形や幸せのあり方、親子や家族にとって本当に大切なことについて、深く考えさせられる作品であった。
初枝、亜紀、祥太、じゅりそれぞれみんな背景に負の要素を抱えているが、治と信代を含めみんなで集まって、血縁関係はないながらも家族(という形)でいることによって精神的には幸せな時を過ごせている。
それぞれの1番の幸せの形がこの家族でいることで、最初から最後までその想いは変わらなかったのではないかと思う。
しかし、貧しさを埋めるために万引きを繰り返さなければならなかったり、社会的弱者に対しての世間の風当たりは強く、表面的には幸せなように見えるが、側から見たらずっと不幸が続いているというのがなんとも報われなく切ない。
前半から伏線を張って、振って振って終盤で一気にバラして回収していく感じや、程よい裏切りがあって観ていて飽きがこなかった。
みんなで海に行くシーンでの樹木希林さんと取り調べを受けている時の安藤サクラさんの演技が印象的であった。
観る人によって解釈や考察がかなり分かれる(特に最終盤のシーン)映画だと思う。
幸せ暖かほっこりハッピーエンド家族映画が見たい人にはオススメできない。
