幼女戦記。タイトルで引いてしまう人も居るかもしれないが、要するにこうする作品である。
「ドイツがWWⅡで勝つためにはどうすれば良いか」
という事だ。
今回は独ソ戦がメインの戦い。
ドイツにヒトラーは居ないけど、スターリンは普通に居たのには笑ってしまった。しかもパラノイア気味で「疑惑=粛清」の体質変わらず・・・という・・・
しかしこの世界のドイツ。ヒトラーが居ないという事もそうだが国家として割と健全であるという所も笑える。(和解の策が無い事に苦しむ胃痛お兄さんがなんとも言えないわびしさを感じさせる)
TVシリーズのCGはかなりクオリティが低く、兵士の大群の描写にはかなり難が多かった。
今回はその辺が結構解消されており、兵士の大群には違和感は無かった。
後半のアクションシーンはそこそこ良い作画ではあったが、作ヲタ的には「背景動画が良いなぁ」とどうしても思ってしまう。
背景動画ではなくCGが背景だとしても、進撃の巨人のVS切り裂きケニー戦ぐらいのケレン味のある原画を求めて居たけれど「CGの背景に原画を付け足しただけ」的な印象にはどうしても感じられた。
しかしこのターニャ少尉は、死ぬほど有能であるが故に馬車馬の様に働かされてしまう。ちょっとぐらい無能を演じれば良いのに・・・と思ってしまう
この作品が言いたい事は「あんまり成果を出しすぎると期待されて重労働を強いられちゃうよ」。というコトなんだと思う。
それと、序盤の博士の独白が、まるでドイツが負けたかのような独白なのが少し気になった。あの独白は伏線として回収されるのかなぁなんて思ったり。
幼女戦記はWWⅡが題材だけれど、今回の映画を通して「ドイツが世界大戦に勝つには、人海戦術のソ連と、圧倒的戦力のアメリカとの左右からの泥沼攻防に勝たなければならない」という絶望感が深まる1作だった。
「しっかしドイツって詰んでる国だなぁ・・・」と思わせてくれる映画でした。