グシ

劇場版 仮面ライダービルド Be The Oneのグシのレビュー・感想・評価

2.6
「ヒーローの在り方」をテーマにした今作。絶対面白くなる素材をここまで薄い内容にしたのは逆に凄いですね。ラブ&ピースがくどかったなぁ…
だいたい『仮面ライダーが作られたせいで戦争が〜犠牲者が〜』ってテレビ本編でしつこく語ったのに何でまたぶり返したのか。話作りの下手さが露呈している。

中盤、仮面ライダーの存在をアホの戦兎本人が肯定したのは如何なものかと思う。今時これほど自分勝手な「俺は間違ってねえ!」は中々見られないんじゃないでしょうか。

あと演出がダサダサのダサなんですけど。余りにも唐突に雨が降り出すところとか…視覚的な演出に頼りすぎでは?
特に、
「万丈を返して欲しければ…」ゴロゴロゴロ……

「パンドラボックスを持ってこい!」ピッシャァーッ カッッ(顔面照らされ)
のところヤバかったですねw


でも視聴前に危惧していた、美空の安い説得→群集改心からの「ガンバレーライダー!」→「勝利の法則は、決まった!」(♪ Be The One〜)
とかはなかったから安心しました。
群集を利己的で不快な存在として描ききったのは良かったです。(それがテーマの根幹なので、当たり前といえば当たり前なんですけど)
それすら一貫していなかったら、いよいよ一つの作品として終わっていたので…

この映画が伝えたいことは結局、「市民は理解してくれないけど俺(ヒーロー)は孤独に頑張るよ…」というとてもとても自己完結した(俗な言い方をすればオナニー感溢れる)主張に尽きます。
先のように群集を描く一方、主役メンバーらは桐生戦兎=仮面ライダーの存在を全肯定しているため、尚更「馬鹿な群集のために頑張るヒーローとその理解者」という構図の自分勝手さが強まっているのだと思います。
『ビルド』から滲み出る不快感、作品的歪さはこの辺が原因なんじゃないですかね。


視聴ハードルをだいぶ下げて見に行った結果、越えるわけでもくぐるわけでもなく予想通りのつまらなさでした。でもエグゼイドみたいな予告詐欺ではなかったのでこの評価に落ち着く…かなぁ。
初日1500円の価値はなかったです。

ビルド、早く終わってくれ〜〜〜!
グシ

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