アベ二ティKazumaAbe

快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en filmのアベ二ティKazumaAbeのレビュー・感想・評価

4.5
面白かった!戦隊ヒーロー初の三つ巴アクション活劇・劇場版。

まずもってTV本編の勢いが凄まじい。各戦隊、それぞれ別番組出身?と思わせる程全くカラーを違えており、殺陣や掛け合いの質も異なれば存在意義も別々。そんな2戦隊が時に衝突し、呉越同舟で共通の敵に向かい立つ様は正に激アツ。凝ったアングルに立体的なアクション、最終回へ向かって積まれていく関係性の布石に胸が高鳴る。大人の俺でさえこんなにワクワク観ているのだから、主なターゲット層である幼児はもっと楽しんでいるに違いない。

肝心の劇場版、まずTV同様アクションがヤバかった。冒頭の鮮やかなコンテナ戦(ハイローの某戦闘シーンを思わせる)からボス戦手前風の小競り合い、ラストの巨大戦まで工夫とありったけの楽しさに満ちている。即席コンビ、両戦隊のレッドが強敵に対して武器を構える様には心が踊ったし、全員が並び立った時の「あ!ちゃんと戦隊だ!!」感等々素晴らしかった。ゲストキャラのココリコ田中も正に“アニメ劇場版でよく見るしゃくれたオリキャラ”風で見ていて安心した(笑)。

この戦隊物がここまで感動的なのは、子供騙し的な手抜きを全然感じないから。コンセプト自体からしてかなり攻めた試みだったと思うが、出落ちのプロットにせずきちんとストーリーを構成、キレた映像で視聴者を惹き続けている。いつか仮面ライダーを担当していたプロデューサーが同時期の戦隊ヒーロー物を見て「時代が10年前で止まっている!」とその古さに唖然としたと言うが、今の戦隊はライダーシリーズを余裕で駕するレベルにあると思う。今後の展開が楽しみでならない。