M太郎

快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en filmのM太郎のレビュー・感想・評価

3.0
アクション映画を作るぞ、という気概に満ちた嬉しい作品。特に冒頭アクションシーンは大作にも匹敵する出来。物語も簡単ながら要点を押さえており、その上で活劇シーンの動きでもキャラを立たせる演出で見応えたっぷり。いやー楽しかった。

本シリーズ、TV版から既にそうだと思うのですが、特撮ヒーローのアクションシーンをアップデートしよう!という意図を強く感じます。怪盗たちのパルクールやダンスアクションを取り入れたアクロバティックで挑発的なアクション。そして警察側の格闘と近接射撃を組み合わせた戦闘スタイルは近年のアクション映画、中でもジョン・ウィックシリーズの影響を強く感じます。どちらもCGは爆発や弾丸を描くに留め、役者のスキルでシーンを作ろうという感じで非常に体感的に楽しめますし、長回しのカットも多くなり戦闘シーンの連続性と緊張感も担保できていると思います。
特に本作の冒頭。コンテナ置き場の戦闘シーンの情報量の多さは素晴らしい。画面の至る所でアクションが起こっており、その一つ一つがキャラの人格を語るものになっていると感じました。怪盗ごと敵を撃つ警察、警察すらも利用する怪盗。そういった本作独自の人間関係がアクションからも読み取れる、というのはかなりの作り込みを感じさせます。
そのあたりが本当に、正しくアクション映画ではないか、と思ったりするのです。
M太郎

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