オヅ

オープンハウスへようこそのオヅのネタバレレビュー・内容・結末

オープンハウスへようこそ(2018年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

終始不穏で、誰もが怪しく見えてしまう演出が散りばめられているので、見ている側もこいつなのか?と疑心暗鬼になる映画です。

例えばちぐはぐな言動と不穏な動きをし、オープンハウスの家に執着を見せる隣人の女(マーサ)がバナナケーキを持ってきた翌日、ランニング中に吐いてしまう息子。
店で会って以来、母親に気のある素振りを見せ親子の居ない間に家を覗き込んでいた店の男(クリス)。そんなクリスが家を見せてくれと言いながら挙動不審に地下室に行き姿を眩ます。
余所者に対しあまり良い顔ではない警察官二人。
家や近隣に詳しく部屋で無くしていたスマホを地下室で見つけてくれた配管工。
捨てられた家族写真。
等々、怪しく見える要素が沢山。
最後まで犯人は誰なんだ~!となる作りでした。

オープンハウスという誰でも家に出入りができてしまう家に住む不安をこれでもかというほどに掻き立てる素晴らしい演出でしたし、個人的に犯人も犯行動機もわからない、娯楽のために暴虐を行う加害者が出てくる理不尽さや後味の悪いホラーは好きなのでこの映画も大変好みに合いました。
視聴後のこのなんとも言えないモヤモヤの良さはファニーゲームを見た後に似ています。
あれも自分達が楽しむためだけの加虐で、被害者は誰でも良いっていう理不尽な映画でしたね。
全てが終わった静寂を写した後、新たなオープンハウスが写りそこへ向かう一台の車が……という新たな暴力を示唆するようなエンディングは本当に薄気味悪くて良かったです。

身近にあっても可笑しくない気持ち悪さや、なんの理由もなくなぶられる理不尽さ、スッキリ終わるだけがホラーじゃないよな!と改めて思いました。

ただ、伏線ではなくブラフが一杯で、誰が犯人か、何が動機かわからないまま終わる理不尽な映画が嫌いな方には、本当におすすめが出来ない終わり方(いわゆる胸糞、またはモヤモヤ系)なので満点からすこし点引きました。
オヅ

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