外面

永遠に愛しての外面のネタバレレビュー・内容・結末

永遠に愛して(2016年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

1日でフランスのショートフィルム5作見たけど、5作中1番好きでした。

フランス映画って映像に振り切りすぎて内容がおざなりになるパターン多いかなって思ってたけどこれは映像はもちろん内容が好きだった。
整形依存症のお母さん、元夫からのDV、それによる(勿論アルビノのせいもあるけど)過保護による軽い監禁。環境めちゃくちゃ暗くて日本映画だったら激重に描くこの要素をキュートにしてるのが凄い。整形外科を庭師って表現して部位を育ててるのとか。フィクションみたいに描くことで内容の暗さを軽減させてて、そこの重さに頼ってなくてとても好み。そして、そういうキュートな場面とかに気を取られてて主人公の偏った考えに愛の壁まで気付けないのが巧妙で……好き…。確かにあんな隔離されてたら自分を気にかけてくれる人が好きになって考えが歪み続けるよね。環境の怖さと考えの歪みって当事者の自分では気づけないのが何より怖い。
ママとの会話シーンでの「男には自分を捧げちゃダメ、本心を見せると傷つけられるわ」って凄い良かった。けど、その後の娘からの運命あると思う?って質問の回答の「だから私は貴方が殴られるのが怖いのよ」みたいな返答が本当に本当にグサッときた。DVするような夫、客観的に見たら運命の相手じゃなかったって思うしそうやって片付けられてきた。けどこのママの運命の相手は紛れもなくそのDV夫だったんだよなあ。

最初のカメラのシーン勝ち、好きすぎる、陽の光とぼやけ方も好き。けどこんな綺麗でもただの盗撮シーンだからね。綺麗に描くのが上手すぎるんだよな。
可愛い曲の中で黒いことするの大好きなんだけど。手術シーンとか好き。レースのマスク可愛いな?そしてナルシストな蛍光の水色みたいなテロテロなの可愛い。黒いはずなのに全然グロくないもんね。
透明な白い服プリンセスみたいな子が螺旋階段降りるの天才的、暗いから白が際立っていいよね。庭師のとこ行く服装も思ったけど白って何色にも染まるからきれいよね、いいね。
あと隣人の家の白壁にオレンジのドアに暗めの屋根、オレンジのアクセントで凄い可愛い。

子役たち可愛いな??女の子本当に可愛いしウエディングドレスの所とかキュンキュンしてたけど、ちゃんと演技できる子役を持ってきてて好感。手術シーンとかの冷たい顔好きすぎる。手術しての言葉が伏線になってるのもストーリーの展開的に綺麗。

心臓は壊れやすいから光を当てて優しくしてね、ってまるでこの綺麗な心臓だけみたいに説明チックに言ってるけどリアルでもそうすぎてそこも好き。
まあ、男の子死んだからタイトル通り永遠に愛してもらって良かったじゃん。その観点だけ見たらハッピーエンドか!
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