Kenta

アナと世界の終わりのKentaのレビュー・感想・評価

アナと世界の終わり(2017年製作の映画)
5.0
田舎にうんざりしながら生きている、高校三年生のアナのクリスマスは、ゾンビに潰される!?
青春×ミュージカル×ゾンビのまさかの融合。劇中曲も素晴らしいものが多く、『ショーン・オブ・ザ・デッド』と『ラ・ラ・ランド』の出会いと評されるほど。

田舎で暮らす高校三年生のアナは、用務員として働く父と二人で暮らしている。父は、アナと友人のジョンを学校に送るときに、クリスマスの予定を尋ねる。しかし、アナはバイトがあるという。そこまでしてお金を貯めたい彼女は、今の暮らしにうんざりしており、卒業したらオーストラリアに行くことを内緒にして頑張っていた。それもジョンの一言でバレてしまう。父と娘はそこで喧嘩。いつもこうだ。
学校に着けば、仲間がいる。映画好きのクリスや、その恋人のリサ、LGBTでボーイッシュな子のステフにいつもの友人ジョン。仲間に囲まれているものの、日常や街の生活に呆れている。ジョンはそんな彼女を励ます。
翌日、イヤフォンをつけ、元気よく家を飛び出すアナ。今日はいつもと一味違う日。ノリノリで音楽を聴きながら登校する彼女だったが、その頃、世界ではゾンビが蔓延していたのだった…。

この作品は、僕にとって超絶ベストな一作となった。大好きなゾンビという要素に、大好きなミュージカルという要素。そこに、青春という味付けが加わることで、最高すぎるものとなり得ている。

青春?ミュージカル?だったら、キラキラで明るい話なんだろうな…。なんて思ったら大間違い。ゾンビ映画ならではのディストピア感や、ゾンビよりか人の方が怖いというあの感覚は健在。うまいこと融合してるなと感心してしまう。

劇中曲に関しても、言わずもがな最高。全てと言っては過言かもしれないが、それほど最高な曲ばかりが集まっている。前半は、ミュージカル映画ならではのキャスト総出で歌い出す感じ、それにプラスで青春モノならではのメッセージ性のある歌詞。そういうものが多かった。
対して、後半はシリアスな雰囲気の絶望感を表現するようなもの。シーンや感情に合わせて、劇中曲も変化していくが、どれも劣ることなく最高だ。

作中では、某歌手名や某俳優名などが、会話中で多々出てくる。こういうところでは、知っているからこその笑いがある。そういう点では、コメディ要素も含まれるのでは。
とにかく、大好きで最高なものだったが、映画好きではない人には対して注目もされていないというのも事実な気がする。もっと、注目されてもいいのに…。
Kenta

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