出だしからけっこうヘビーなシチュエーションだった…
中盤以降もとにかく困難との対峙の連続。それでもなぜか観ていられるのは、ところどころストーリー上で小さな救いがあるからかもしれない。
決まったルーティンを変えられなかったり、建前やウソをつけないサムが少しずつ周りを巻き込んで状況を変えていくこと。
そしてルーシーがあまりに良い子すぎるところも。
手ブレやズームを多用した不安定な独特のカメラワーク、そしてライティングも暖かい雰囲気を演出したくなる親娘の再会のシーンでも、明らかに不安や混沌を感じさせるつくりだったのが興味深かった。
サムやその友人たちのようなハンデを抱えている人たちから見たいわゆる普通の人と接するときの不安な心情や彼らが見ている世界の違いを表現しているように感じた。
検事は物語では悪役ではあったが、ポイントは誰もがこの子の幸せのためと思って行動している、という点なのかもしれない。
子どもが大人になるまでに親や周りの大人は何ができるのか。愛情や環境や教育やお金…色々あるけどそれが押し付けではなく子どもたちの可能性を潰さないようなカタチで…とかとりとめもなく考えてしまった。