・物語★★★★★
・配役★★★★★
・演出★★★★★
・映像★★★★
・音楽★★★★
これまで機会がなく未鑑賞だったこの超ポピュラーな作品を、妻のススメでようやく鑑賞。
曰く、「映画館で寝てしまいがちなワタシでも、しっかり起きていられたほどの名作」とのこと…。
確かに、その言葉どおり(?)の名作だった😭
後の「somewhere」や「7番房の奇跡」、「パパが遺した物語」に「サウスポー」といった作品たちへ脈々と繋がる“父と娘の親子愛”…。
この普遍的テーマを描いた系譜の中でも、ひときわ感動の輝きを放つ傑作だ✨
知能が7歳程度という障害を持つ父親“サム”。娘“ルーシー”がその年齢にさしかかり、露わになる現実…。
どんな親にとっても喜ばしいはずの“子どもの成長”が、親子関係を変容させるどころか、親子を引き離す要因となることが、辛く、哀しい。
しかし、そんな感情を払拭してくれる温かいセリフの数々が、本作には溢れている。
“父親のお手本は 僕自身です”
“私の「パパ」は パパだけよ”
同時に、子育てや、子どもと接するにあたっての、教訓ともアドバイスとも取れるセリフにもハッとさせられる。
“僕には ずっと考えてきたことがある
いい親になるには いったい どうすればいいかと
その答えは 不変であること
それから 忍耐強いこと
話をよく聞くこと
たとえ内容が 分からなくても 聞いてる振りをすること
それから 愛することだ”
映像も、どこか柔らかく、温かい。
軽快なテンポが心地よいパーカッション主体の音楽が印象的だが、様々なアーティストがカバーするビートルズの楽曲もいい。
“ルーシー”の名前に象徴されるとおり、楽曲に留まらず作品全編にわたり展開されるビートルズ愛に溢れた演出も。
中でも、「アビイ・ロード」のジャケットを意識したあのシーンは秀逸だ。
彼の経歴の中では異色とも言える役柄を、完璧に演じたS・ペンの役者魂が素晴らしい🙆♂️
心情の機微を巧みに表現したM・ファイファーも◎🙆
D・ファ二ングの愛らしさは、もはや言うまでもない。
“愛するルーシー
君を傷つけてしまったね
でもパパはいつも 君のこと 考えてるよ
ハンモックに乗ったルーシー
学校のルーシー お空のルーシー
キスとバグを パパより
P.S. アイ・ラブ・ユー
あの歌詞のように愛してる”
世の父親の気持ちを代弁してくれるかのようなこのセリフが、特にお気に入りだ。
劇場用パンフ★★★
全14ページ。
薄くはあるが、的を得た内容。
ビートルズの楽曲については、カバー・アーティストの解説も。
公開当時に妻が購入したパンフ📖…十数年を経た今、娘をヒザに乗せながら自分が読んでいることが、なんだかとても感慨深い。