YP子

I am Sam アイ・アム・サムのYP子のネタバレレビュー・内容・結末

I am Sam アイ・アム・サム(2001年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

15年前、日本で公開した時すごく話題になってたよね。
その時私は観賞しなかったんだけど、なぜかずっとこの映画の事を「アイ アム サン(息子)」だと思ってて、勝手にどこかの息子の話だと認識していたの(笑)
そしたら、サムじゃん!
しかも、ショーン・ペンじゃん!
しかもしかも、大好きなミシェル・ファイファーじゃん!
なんで今まで観なかったの!?
そう自分に言いながら観賞しました。


2001年に公開されたアメリカ映画。
7歳くらいの知能しかないサム(ショーン・ペン)と、サムの娘(ダコタ・ファニング)のお話し。


分かっていたよ。
最初から。これは感動する物語だって。
だってそんな雰囲気プンプン出てるしね。

そしてその通りだったよ!
もうずっと感動しちゃった。
だってサムがすごい心の綺麗な人だったから(涙)
一生懸命に物事に取り組んでいる姿や、大切なものを純粋に大切にしてる姿勢に感動。


映画の中ではビートルズがたくさん登場したね!
これは、この映画のために行った取材先の障害者施設の利用者の多くがビートルズが好きだったからなんだって!すごいね!

「Lucy in the Sky with Diamonds」や、ジョンレノンのポスターやビートルズのピンバッチ。
ビートルズの歌詞がセリフに出てきたり、ビートルズがそこかしこに散りばめられてた。
部屋のドアに貼ってあったNYCのリンガーTシャツ着たジョンのポスターが何度も映るんだけどあらためて「やっぱかっこいいなぁ」とか思いながら観てた。


パパが知的障害なのと、ささいな事柄がタイミング悪く重なってサムとルーシーは離ればなれになってしまう。
もうこの時点で「おい!うそでしょ!?なんで!?」っていう気持ちで胸がはりさけそうだった。ちょっと、「チョコレートドーナツ」にも似たものを感じた。
裁判になったって、サムは最初現状を分かってないしルーシーが施設に保護されたことも分かってなくって。何で誰も分かりやすく説明してあげないの?サム、困ってるじゃん!もう私が説明しに行ってあげたい!って思ってるところに、敏腕弁護士役でミシェル・ファイファー登場。

いいねぇ。キャリアウーマン役すごくいい!
あと、イライラしてキレる役似合うよね。ミシェル・ファイファー。カッコイイ。

サムは敏腕弁護士とルーシーを取り戻すため頑張る。
里親に渡すことになっても、その人がいい人でサム達の事情を分かってくれて上手いこと良くしてくれないかな...
って思ってたところにそして登場した里親候補でローラ・ダーン!
どうしてもジュラシックパークが頭をよぎっちゃうけど、好き。この人。
でも、願ってたようないい人ではなく...(笑)最初ね。だんだんいい人になっていくけど。

そう。

サムと関わっていく人が、どんどんみんないい人っていうか良い方向を向くようになっていくのがいいよね。この映画。
ローラ・ダーンもだし、ミシェル・ファイファーだし。
最初はサムにつっかかっるけど、だんだんそのピュアな人間性に降参してサムと同じ方向を向けるようになっていく。


嘘をついたり、自分をよく見せようとしてもがく。
周りからの評価を気にして、本当の自分を隠してでも見栄を張ろうとする。
大人になったり、白状で嘘ばっかの社会に身を置くと、自然とこうなっていくよね。
でもサムは、そんな事はこれっぽっちもない。
自分の中の好きなもの、好きな音楽、好きな人、好きな予定。ただそれを毎日大切にして、毎日ちゃんと決まった予定を一生懸命にこなしていくだけ。
「でも」「だって」を言わないよね。
あと人を疑う心がないから、まっすぐに人と向き合ってる。なんてピュアな人なんだろう。
実際の世界では、ピュアだけでは生きていけないし逆に傷つくことが増えてしまうこんな世の中だけど、サムのような綺麗な心をずっと忘れずに持っていたいと本気で思う。

7歳ぐらいの知能しかないから、サムはピュアなのかも?って思ったけどそんなことないよね。知能は7歳でも人生をちゃんと長く生きてきてるし、子育てだって、仕事だってちゃんとしてる。
こういう映画を観ると「100%ピュアな気持ちだけでも人間は生きれるのかも」とか思っちゃう。願望。願望は持っておこう。


裁判で「頭脳が高くなければ子供を育てられない」そう言われまくるサム。
それに対してミシェル・ファイファーが超カッコよく言い返す。
サムは誰も憎んだり、策略とか、そういうの無いから余計に見ててつらい。

サムの友達が応援する姿はほっこりした。
アニーが証言に来てくれた時はすごく感動した。

「頭脳が高くなければ子供を育てられない」って、確かにそうだし実際問題生活にいろいろ支障がでるのは確実。だけど、あの引き離し方はないよね。
そして、サムのこの問いに対する応えは「不変の愛」だった。
「高いIQ」が子供を育てるんじゃなくって「不変の愛」が子供を育てるんだよって。
子供に対して、変わらない存在でいることが大切だって。

サムーーーーーー(涙)

ってなりました。
それが一番大切だと、私もおもう!

足りないものが「頭脳」なら、そこをみんなで補ってあげればいいのに。法や社会のルールは、こういうことの為であってほしいよね。
一番大切な「愛情」をサムは十分なほどルーシーに与えることができているんだもん。
切実にそう願って観てた。


そして、だんだん自体は良い方向へ向かっていってルーシーの教育を手助けできる道や、何かあった時に頼ることができる人を見つけてたり、少しずつ問題を解決していって最後はすっごくハッピーエンディングだったね!

はぁ。よかったよかった。


この親子にはこの問題は避けては通ることができなかったものだと思うし、いつか立ちふさがる問題だったと思うから、この時にぶち当たって、それを解決できて、本当に良かったと思う。
何か壁にぶつかった時に、世間の常識とか「みんながこうだから」とかって流されて判断を誤ってはいけないなって思った。
流されずに問題を解決することができるんだって事を。
自分の中に曲げない信念を持つことの大切さを再確認。



いやぁ、それにしてもショーン・ペン。
すごかったなぁ...すごい演技力!!!
脱帽。
これは、デニーロのレナードなみにすごいね。

すごく素敵な映画でした。
YP子

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