けんたさん

ホステージ:ペルー日本大使公邸占拠事件のけんたさんのレビュー・感想・評価

4.0
今まで、名前だけは聞いたことがあったけど、詳しくは知らなかった、在ペルー日本大使館人質事件。

1996年のアルベルトフジモリ政権下でMRTAというテロ組織が青木大使公邸レセプションで展開した人質引きこもり事件。
政府と人質間の交渉は赤十字が担ってて、そんな役割も担っていたんだなと。

これを一般のテロ事件と同じ見方で考えるべきではなくて、最大の目的が人命の救出であるという前提のもと、テロ組織と人質間である種のリマ症候群?のような不思議な信頼関係が醸成されていた関係の中で、急いた軍事オペレーションは本当に必要だったのか。(テロリストを擁護する気は全くないけど、この場合は、人質に対して発発砲することなんて皆無だった他、日本人の人をさん付けして呼んだり、一緒にサッカーをしていたという話もあります。)彼らは、不平等や社会不安が広がっっていた当時のペルーに然るべくした生まれた不満の代名詞のような感じだった。

ちなみに軍事作戦それ自体は最小限の被害で済んだのである程度の成功ではあったと思うけど、そもそも支持率の低下に苦しむフジモリ大統領が支持率の回復を狙って、強い大統領というイメージを得るために強行したのか。

そして最大の争点はもう丸腰で抵抗意思のないMRTAの若いメンバーまで全員殺す必要があったのか??結局その後の事件の検証で、米州人権裁判所はペルー国家の部分的責任を宣告していました。

犯罪人の人権、テロと国家とか考えさせられます。来年ペルー配属かもしれないので、今見れて良かった