Echoes

バイスのEchoesのレビュー・感想・評価

バイス(2018年製作の映画)
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和訳されている唯一のチェイニー本を読んでからの観賞。合間に挟まれるギャグはあまり面白いと思わないが、チェイニーらが911を奇貨として大統領府に権限を集中させ、グアンタナモでの拷問や自国民の盗聴を容認するなど一線を超えていく様がよくわかる。
その過程で共和党内でも主流とは言い難い一部の法律家や官僚の極端な主張(ラッファー曲線やら一元的執政論やら)を取り上げ、憲法や一般法の抽象的な文言を「解釈」して個別法を骨抜きにしていく。このあたりはやっていることの程度の差こそあれども近年のこの国でも既視感を覚えるものだ。この映画の中で邪悪とされるチェイニーやラムズフェルドらネオコンですらも昨年の大統領選以降のトランプらの集団の醜態には苦言を呈しており、今の共和党内では良識がある方になるのかと思うとげんなりさせられる。
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