鬱経験者としては、趣里さんは物凄くリアルに、上手に演じられていたと思う。
自己肯定感が低くて変わりたいけれど変われないそんな自分が誰よりも憎い。けれどそんな自分でも生きていかないといけないから自分を正当化する為に家族や恋人など無条件にそばにいてくれる身近な人間に対しては高圧的に当たってしまう。
感情のコントロールが出来ない。
そんな心情を凄く細かな目線の動きや頬を伝う涙で表現されていたと思う。
社会からドロップアウトした人間はほんの少しでも他人に優しくされるとすぐにのぼせ上がってしまう。が、しかし
本当の自分なんてちっとも分かってもらえていない。その事実に気づいてしまった瞬間、この世界に対して全ての希望がなくなり視界が灰色になる。猛烈にこの世から消えて無くなりたくなる。そして他人が怖くなり信用出来なくなる。
これの繰り返しで分厚い壁を重ね、どんどん拗らせていくのである。
とにかく趣里さんと菅田将暉くんの演技力に脱帽。
でも、全体的には特に面白みがない。
こういう類いの邦画多すぎてマンネリ化しているというか‥
菅田将暉の無駄遣いというか‥
まあカフェ屋の夫婦が良い意味でも悪い意味でも一番印象的。
本人たちに悪気がないところが最も難しいところではある。