生きてるだけで、愛。の作品情報・感想・評価

「生きてるだけで、愛。」に投稿された感想・評価

過眠になると日々が驚くべき速さで進行していく
単純な話、普通の人は24時間中17時間ほど活動しているところを、12時間以下で過ごすことが多いからだ

生活のほとんどを津奈木に仮託しているため、最低限衣食住はどうにかなっている寧子だが、それらが保証されたくらいで軽やかになってくれないのが人生だ

津奈木も津奈木で、父性を発揮して寧子を扶養しているだけではない
仕事での問題や寧子のことで磨り減る神経は、無感情に見過ごしやり過ごすことで、同じくただ回転する日々を送っている

この辺は意見も割れるところな気がするが、僕は「いいよ味噌なしで」という返信はキツいなぁと感じた
まず「味噌のない味噌汁ってなんだよ」ってブチギレてしまうと思う
ちゃんとやりたいのだ、寧子は
それを嘲笑うかのように立て続けに起こった不幸に悲しんでいる最中に、このセリフは厳しいものがあると思う
津奈木の不理解を象徴する、やり過ごすような「優しいだけの言葉」だと感じているように思えた
寧子が求めているのは「一緒に疲れてほしい」のであって、ここで求めていたのは甘さや優しい言葉ではなく、例えば「味噌買ってくよ」といったような、自分と二人三脚でゼイゼイ息を切らしてくれる行為ではないだろうか
ていうかアレが愛ならタバコ吸わねえだろ直後に

中盤に差し掛かるあたりで、おそらくほとんどの視聴者が、寧子の神経衰弱の理由を「ウォシュレットって恐いですよね」に見出すと思う
自分が気にしていることを他人が気にしていないということ
他人との違い、そしてその違いへの無理解
「外に出たら隕石に当たって死ぬかもしれない」と本気で恐れている人もいるのだ
「気にしすぎでしょ」と思うかもしれない
まさにその無理解の隔たりが他人との距離なのだ
そして「大丈夫になれそう」と思っていた寧子も、「いや、ウォシュレット恐くない」と言われることで、普通の人たちとは自分の生きている土台が異なっているということを否が応でも自覚させられる
しんどさ、絶望感
いつも惨めな気持ちで生きるのは疲れるよな

ぶっちゃけた話、セリフはかなり説明的で全部言葉にしすぎるきらいも間違いなくあったし、元カノはただのイカレでトリガーとしてしか描かれておらず、普通の他人は不理解しか示さない割に社会包摂に対してあまりにも熱心だし、画面もどっかで見たことあるような感が拭えず、一番の見せ場だった走り出すシーンもどうしても尺が短いような気がしてどうかと思ったが、なんというか『秒速5センチメートル』の仕事を辞めた主人公がエレベーター内で鍵を取り落としてキツくなるシーンのような、共感を誘う描写は良く出来ていたように思う

だから「しんどさ」を考える映画としてはうまく機能しているんだと思うし、それ故にわりかし高評価になっているんだと思う
役者の力もかなり大きい 主演の2人以外もかなり良い演技だった
劇伴も主題歌もマジでかなり良く、映画の好印象に一役買っている

それにしたってwikipediaには「躁鬱病を抱え、過眠に悩まされている女の自立への過程も描かれており」と書かれていたけれど、これはどうなんだろう
自立したのだろうか 結局できてなくないか?
あまりにも救いがなさすぎる
一瞬だけ心が通じ合うような、そんな煌めく瞬間がある それ以外は生きているだけでしんどいんだと思う 実際そうだ
でも俺はその瞬間だけに賭け、生きる価値の全てを受け渡すことはできない

…………
イカレでポッと出な元カノが現れなかったら、この話はどうなったのだろう

俺には見える
一人暮らしの汚部屋で、一日12時間以上寝て過ごす素寒貧のずっと終わっている俺には、二人がゆっくりと破綻して、部屋で腐乱死体となった津奈木と寧子の姿が見えるのだ

願わくばこれを観た人たちが、なにもかも分かり合えないことを解り、それでも触れることを諦めず、弱った他人を包摂し、彼らの荷物を分け合い、そしてその人を立ち上がらせてくれますように
わたしも生きてるだけで疲れるし、わたしが相手に対して思うのと同じくらいわたしのことも思って欲しいし、分かってほしい
あいこ

あいこの感想・評価

4.2
生きてるだけで疲れるよね
なにもしてないのに
なにも望んでないのに、ただ生きてるだけで疲れる
趣里可愛かったなあ
味噌買い忘れただけで、ライターの火がつかないだけで、ブレーカー落ちただけであそこまでなるのわかる、わかるし私もなってたけどそれが理解出来る人間ってどのくらいいるんだろう?みんなそんなもん?それともおかしいだろってなる?
「いいよ味噌なしで」って言葉が好きすぎた

ウォシュレットもわかるよ、自分は本気で不安で怖くて真面目に思ってることをなんだそれって理解されない、理解されないんだってわかった瞬間の絶望も

屋上のシーンは辛かった
趣里の言葉全部が辛かった
チョコ

チョコの感想・評価

4.0
最後の30分の為のフリをしている様に感じるくらい
最後の主人公のセリフが良かったです。
泣きそうになっちゃっいました。
趣里さんが凄く演技上手でした。
taka

takaの感想・評価

4.0
生きてるだけ疲れる。
一瞬でも解り合えたら。
グサグサささるような台詞ばっかだ。
みんなそれぞれ自分がこの世で一番不幸だと感じてしまうような瞬間ってやっぱりある
R

Rの感想・評価

4.4

人と人は簡単には分かり合えない。
恋人同士や夫婦でも同じで、
実はそんなに分かり合えてないと思う時がある。

それでも、
ほんの一瞬でも分かり合えたら、
そのほんの一瞬を大切に生きていく。

分かりたいと思うことが、愛なのかも。

「お前のこと本当はもっと
ちゃんとわかりたかったよ」
この言葉が切なくて、泣けました。

そして“意味わかんないけど綺麗なもの”を
津奈木は最後にもう一度見ていたのかな。

感情をぶつけること、
思ったことを言葉で伝えること、
エネルギーを使ってコミュニケーションをとること、
それをしないのは楽をしていて卑怯かもしれない。
分かり合うためには必要不可欠なことなのに。

この場面の寧子の言葉は、
ちょっと自分自身に響きました。
Kanamori

Kanamoriの感想・評価

3.7
服を脱ぎ捨てながらの全力疾走からのラストに全てが詰まってた気がする。他の誰にも理解されなくても、生きていけると思わせてくれる一瞬があるのかもしれない。今のわたしは気づいてないように思えるけど、失くした時に気づくのかな。。趣里さん美しい。
鎌鼬

鎌鼬の感想・評価

3.5
メッセージ性は強いんだろうけど上手く感情移入が出来なくて微妙に感じた。この人達にとっての幸せは何だろう。
エミカ

エミカの感想・評価

3.9
見た後に心がどこかに置いていかれた。自分とは無縁の話のようで、実は体験したことあるよう近い話だった。

数年前、過眠症やうつ病だった自分を見てるように、起きたくても起きれない、仕事など頑張る気はあるけれど体が行動に移せないなど、胸が痛いほど気持ちが分かった。
その時に近くで支えてくれる、理解しようとしてくれる人がいれば少しは変わったのかな〜と思った。
寧子(趣里)は自分の感情がコントロール出来なくなって、走りたくなったりする時に「相手が疲れてでも自分を理解しようとしてくれる」ことを望んでいた。
全ては理解してくれなくていい、少しでも理解してくれようとするその優しさが愛なんじゃないかなと思った。

「生きてるだけで疲れる」「自分は自分と別れられない」分かっているけれど、それと向き合って生きていかなければならない。辛い
Ayanan

Ayananの感想・評価

3.7
最後10分くらいの、
屋上のシーンが印象的。
菅田君と趣里さん、流石の一言に尽きる。

寧子ちゃんがパニックになった時の、
津奈木の抱きしめる手が凄くリアルで切なかった。

「いいなぁ津奈木は、私と別れられて。私は私と別れられない。」の台詞が、
ずっしりと心にのしかかった。
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