YoshiyaTsuboi

愛しのアイリーンのYoshiyaTsuboiのレビュー・感想・評価

愛しのアイリーン(2018年製作の映画)
4.2
青春時代に『宮本から君へ』はどんハマりしたが、本原作は未読で臨んだ。圧倒的な熱量を振りまきながら、怒濤なスピードで突っ走る137分。監督、役者、スタッフたちのガチンコな挑戦、その意欲的な取り組みにガツンとヤラれる。好きか嫌いかさえ分からないぐらいぐしゃぐしゃとしたものを見せつけられたが、映画館で触れられてよかったと感じた。展開としての山場がもう少し丁寧にわかりやすくあれば、もっとストレートに心が動かされたようにも思うが、それは敢えて退けたのだろう。アイリーン役ナッツ・シトイがひたすらキュートでとにかく可愛い。あの美しいキスシーンには憧れる。主演安田顕の本気ぶり、母親役木野花のイカレっぷり、パチンコ店同僚役河井青葉のどエロっぷり、ヤクザにして女衒役伊勢谷友介のクズっぷりと上げればキリがないが、終始スクリーンから浴びせられる熱にのぼせそうになった。ぐわーっと駆け抜けた後に流れるエンディングテーマ、奇妙礼太郎「水面の輪舞曲」がじんわりきた。
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