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愛しのアイリーンのreephanのレビュー・感想・評価

愛しのアイリーン(2018年製作の映画)
4.8
たった今映画観終わって、ほんとはこのあともう一本観ようと思ってたけど気持ちがいっぱいになり過ぎて、もう観れない。
レビューはあとで、とにかく胸がいっぱい。

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観終わって丸一日経った。ずっと考えてしまっていた。なんだったんだ、この映画は。

40過ぎて実家暮らし、パチンコ屋勤務の岩男がフィリピンでお見合いをしてアイリーンという名の女を妻として娶り、日本へ戻ってくるお話。
原作未読のためどんな話かは全然知らなかった。ポスターのあの感じ、岩男とアイリーンが純白の衣装を着てて、「二人で歩む地獄のバージンロード」って書いてあるから、あの衣装でバイクでも乗って、銃ぶっ放しながら戦う話かなんかと思っていた。全然違ってて、閉鎖的な村で、冴えない画面がずっと続くんだけどパワーがスクリーンからドカーン!と放たれてて、ずっと目が離せなかった。
これは何の話だったのか、考えたけどよくわからなくて、でも愛とか憎しみとかそういうことについての話なのかなー。
夫から妻、母から息子、娘から家族若しくは未だ見ぬ本当に大切と思える人、とかいろんな愛が出てくる。逆ベクトルは憎しみだったり。また愛が行き過ぎて、だれも望まない、だれも幸せにならない方向に向かってしまったり。観てて一方通行過ぎて、うまく、思うようにいかなさ過ぎて胸がぎゅうとなって苦しかった。
岩男はセックスのためにお金で女を買うこともできたのに、なんで結婚だったのかな。自暴自棄で?
誰でもいいからで結婚して、そこからちょっとずつ心が通っていくシーンが幸せ過ぎで、最高のキスシーンがあって、そこから崩れていく様がほんとに、言葉にできなくて思い出しても涙が出てくる。

フィリピンではフィリピン女性を性的搾取から守るため、フィリピン女性から他者への金銭的要求をさせないためにフィリピン女性と外国人がお見合いをすることを禁止しているらしい。
この映画の中では法律の目的が果たされなくて、発生してしまった問題も出てくる。
だけど目的がセックスであろうと、金であろうと本人たちがその関係を望んでいるのになんでそれを禁止するんだろ。それっていけないことなのかな。

もうまだほんと気持ちの整理がつかないくらい引っかかる映画。
キャストもそのキャラクターも素晴らしかった。岩男、アイリーンはもちろん、岩男の母ツルも父も、同僚やらヤクザなんかも。
はぁ、また観たいけど観たくない。パワー使うから。
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