フラットライン

来るのフラットラインのレビュー・感想・評価

来る(2018年製作の映画)
4.0
原作と骨子は同じだけど、テイストは中島哲也なので原作の一見イクメンパパのクズ度合いがいいさじ加減で表現されているなど、いい化学変化を生じていてよかった。

先日「へレディタリー/継承」を観てきたばかりなのでどうしても比較してしまうのだが、ホラーとしては格の違いを見せ付けらたものの、エンターテイメントとしては断然こっちでした。

【褒め】

黒木華の子育てに疲れて壊れていく姿は本当に見事。顔の雰囲気といいクセのある髪の毛といい、昔付き合っていた子と重なるところがあるので痛々しかった^_^;「幕が上がる」の先生役といい、彼女は役に恵まれているなと再確認。

ぼぎわんの造形が本気で怖い。敢えて物体化させないで「現象」としてモンスターを描いているので、得体の知れない何かがやってくる恐怖を際立たせてくれる。

小松菜奈は可愛い。最初気がつかなかったけど^_^;原作とイメージが違ったが、この子のアナザーストリーを観たい。岡田准一の存在感はさすが。

松たか子の凛とした美しさ!「大豆田とわ子と三人の元夫」で彼女の魅力を再確認したばかりだが、この作品を見直して更に感じました。

柴田理恵!数回しか出ないのに印象深いシーンに彼女が絡んでくる。彼女の朴訥としたキャラクターが最後の入れ墨を見せる事で、彼女が生きてきた「地獄」を連想させてくれる。助演女優賞決定。

何より最後の除霊大会は盛り上がる!日常の異物として神主や巫女が団地にいる光景。「誰か一人ぐらいはたどり着けるやろ」(でしたっけ?)の一言に「じーさん、カッコいい」と鳥肌が立ちました。あの場にたどり着けずに死んでいった陽気なおばあちゃん達もいい!端役に至るまでよかったです。

【貶し】

全部ぶん投げてるとしか思えないあのエンディングは酷い。オムライスの歌はカワイイけど入れる場所はここじゃない^_^;
それぐらいかな?

という訳で高評価の作品でした。DVDでもう一回観ます。
フラットライン

フラットライン