COZY922

フラットライナーズのCOZY922のレビュー・感想・評価

フラットライナーズ(1990年製作の映画)
3.3
フラットライナーズ。心電図や脳波の波形が平らになる状態のこと。
『死の向こう側を覗きたいのさ』医大生5人が臨死体験実験をし、生と死の境界に何があるのかを見てくる、という禁断かつ前代未聞な話。好奇心から医学をこんなことに使っていいのか?倫理的にも許されないだろう?という真面目な追求はさておき、フィクションと割り切って観るぶんには興味深い設定だった。

死後の世界やそこへ行く過程がどうなのか1度くらいは考えたことがあるのではないだろうか。トンネルとか三途の川とか、幽体離脱、あるいは過去の記憶が一瞬にして走馬灯のように流れるライフレビューなどが臨死体験をした人の話として報告されている記事やTVを見たことがあるが実際はどうなのだろう? まあ、いずれ死ぬ時にわかることだけど。

本作は医学サスペンスともライトなホラーとも取れるが、どちらかというと贖罪がメインテーマなのかなと感じた。死に際して過去の罪の意識を呼び起こされ、幻覚に苛まれる実験者たち。封じ込めてきた良心の苛責が心の中に蘇る。

B級感漂う作品ながらここまでは割りとよかった。医学生による臨死実験という設定に助けられ、うまく引っ張った感もある。が、着地点がよくない。あまりスッキリしない。過去と向き合い何かを改めるのではなく、自己中な謝罪やこうなってほしいという妄想的解決。しかも妄想的解決さえもしていないのが約1名。うーん、惜しい。なんだかとても惜しい。もっと上手い収束のさせかたがある気がする。

キャストが豪華で驚き。若きキーファー・サザーランド、ケビン・ベーコン、ジュリア・ロバーツが見られるのでこれだけでも一見の価値はあると思う。
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