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フラットライナーズのtokyowebtvのレビュー・感想・評価

フラットライナーズ(1990年製作の映画)
5.0
人間が犯した罪は、神が許すかどうかではなく、人間自らが謝罪して相手に許されたという実感を、まだ生きているうちに味合わないと、あの世まで持って行ってしまう、という人生と死後の世界の関係を明確に示した傑作!
人は自分の犯した罪に対して良心の呵責でもがき苦しむ本性を持っている。
普段は隠れて忘れてしまったはずのその罪の意識は、みんな魂に刻まれていて死の直前から洪水のように襲ってくる。だから余生のあるうちに出来るだけ清算しなさい、という物語。
イエスの十字架を信じれば、すべての罪は神によって許される、というキリスト教の教えを真っ向から否定した野心作。
人間は自らの行動によってしか罪から解放されないのだ。
臨死体験をした彼らは、幸運にも、この人間の生と死の関係を知らされて、生きて贖罪を実行するチャンスを与えられ、現実と霊界の交差点で相手からの許しを受けて癒される。
この映画を観た観客がこの知らせに気付いて、過去の罪と向き合うなら、残りの人生で過去を清算してください、というのが監督からのメッセージであり、神もまた観客の行動を待つ立場でしかないことをエンドロールの神の肖像画が語り掛ける。
人生の目的、それは善の積み重ねと犯した罪の清算の繰り返しなのだ。
リメイク版は本作が示した真理に気付かなかった製作者によって悟りのない駄作に終わっていて不快。
臨死体験でしか実感できない人生と死後の世界の関係を、この映画を観れば読み取ることが出来る。
この映画を通じて死後の世界を疑似体験できる我々は幸運だ。
交通事故とかで死の淵を歩かずとも、死後の世界の真相を見ることが出来たのだから・・・。
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