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クリシャのmatsushiのレビュー・感想・評価

クリシャ(2015年製作の映画)
3.8
「waves」の監督、トレイ・エドワード・シュルツの長編初監督作品。
親族と長年疎遠だったクリシャがサンクスギビングで親族を訪れるも、なかなか事がうまくいかず…というようなお話。
序盤から不穏な空気を漂わせる、長回し、トラッキング、ズームアウト、ズームインなどの視覚的演出。随所で流れる不協和音。wavesでも使われていたトレイ監督特有のアスペクト比を用いた表現。
最高でした。
ストーリーは監督の実体験に基づいているらしく、役者陣も、息子トレイ役の監督本人に加え、主役のクリシャ役には監督のおば、他に監督の母親や、親族、友人を起用し、実家での撮影。セリフはほとんどが即興というイカれっぷり。
久しぶりに親族が集まったときのあの探り探りな奇妙な雰囲気を上手に醸し出していた。
クリシャ自身、他の親族、息子のトレイの心情が痛いほどわかる。自分の体から生まれた子に拒絶される痛みは想像したくもない…。
人間は弱さや脆さは人それぞれ。
だからこそ、精神的に大きな痛みを受けたとき、それを乗り越えられるか、乗り越えられず、放棄して落ちるところまで落ちるかはその人自身の強さに起因する。
ホラーとかと勘違いしそうな人多いと思うので、これは歴としたドラマとだけ言っておきます! 
個人的には内容、演出含めすごいタイプだった。
日本で上映されてみんなの反応はどうだろう。
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