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5時から7時までのクレオのbennoのレビュー・感想・評価

5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)
3.6
病気の不安に怯えるシャンソン歌手クレオの5時から7時までをリアルタイムに描いたアニエス・ヴァルダの作品

不安で押し潰されそうな素のクレオと、鏡に映る自信に満ちたスター歌手のクレオ
心の揺れ動きを鏡を多用して、絶妙な映像美で魅せてくれます

ドキュメンタリー映画を観ているような、汚れたパリの街並みや下品な大道芸人
決して美化することなくリアリティのあるパリをクレオ目線で見せてくれます

フランス人ならではの耳障りの良いシャンソンや会話も存分に楽しめます

≪Moi, mourir pour rien me désole. Donner sa vie à la guerre, c’est triste. J’aurais préféré mourir d’une femme et d’amour.≫
戦争で死ぬのは情けない、ひとりの女性、愛のために死にたい

(みなまで言うな!日本人が言ったらドン引きなのは重々承知です でもそれが映画ならでは…でしょ)

劇中の無声映画では、若き日のゴダール夫妻が…
それに作曲家のミッシェル・ルグランも出演しています

ヌーヴェル・ヴァーグのフランス映画は観る人を選ぶとは思いますが、どっぷり浸かりたい人は是非!是非!
兎に角、映像を楽しんで下さい!
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