5時から7時までのクレオの作品情報・感想・評価

「5時から7時までのクレオ」に投稿された感想・評価

がく

がくの感想・評価

4.0
古いフランス映画は補正がかかってしまう。素敵さ補正。内容はそのまま。5時から7時までのクレオさんの様子を描く。病気への恐怖に震えている。

いや〜日常の中のちょっとした非日常を切り取った作品に弱い。よかった!

え、アンナ・カリーナ出てた⁉︎
人間の一番の武器は創造力であり、一番の弱点は想像力であることがよくまとめられている映画。

他者の視線ばかりを気にする歌手の女性。
占いで出た恐ろしい結末から、この後控えている診察の結果がどのようなものであるかを常に気にし、何をするにも、悪い方向性で物事を捉えてしまう。
悪い結果を『想像』するということが、彼女にもたらす心理的バランスの崩壊と、その影響力を非常に上手く描いている。

それとは対照的に、
彼女(歌手の女性)の親友は、アトリエで被写体のモデルをやっている。
多くの人前で裸になることに抵抗はないのか?と尋ねるが、親友は『彼らは私自身に関心はなくて、それとは別の価値観を私に見出している』という台詞が非常に印象的である。
この台詞から、芸術活動における『創造』の多様性を示しており、二人の女性の立場を有効に活用し、『想像』と『創造』における人間の心理状態が上手くまとめられている。

ラストシーンでは、
歌手の女性は担当の医師から診断の結果を報告され、作品内で、一番の前向きな表情を見せる。その診断結果が例え悪いものであっても、彼女にとっては、『想像』するという心理状態からの解放を意味し、この前向きな表情に繋がっていく。
No.383
途中で出てくるドヤ顔のゴダールとおめめパチクリのカリーナが最高。マルシャンはルグランよりデカくてなぜか感心してしまった。
Ichiro

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3.9
ヌーヴェル・ヴァーグの頃の華やかなパリの様子が見られるだけで嬉しい。そしてかかる音楽や劇中劇のトーキー映画、会話と全てが洒落ている。素晴らしい映像芸術。
タイムスリップできれば、この頃か、ベルエポックのパリに行ってみたい。今のパリも十分洒落てるし楽しいけど!
Mayashico

Mayashicoの感想・評価

4.0
ロケ撮影で、ヴァルダがカメラを向けた街の人々がこちらを見つめてくるカットが多々あるが、それが病気の検査結果を待つクレオの不安感を観客が追体験する装置としてうまく作用している。その居心地の悪さはある意味ヒッチコックの映画以上かも。クレオは死の不安に慄く反面、己の運命を受け入れ、まるで自らの葬儀へと向かうかのように黒いドレスを身に纏う。繰り返される死のイメージから、ロイドやキートンを思わせるゴダールの白塗りを、死化粧の暗喩だとこじつけるのも可能か?
miyabi

miyabiの感想・評価

3.9
雑誌で見て気になってたからやっと観れた!可愛らしくて好きな映画に仲間入り!
eiga

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4.2
バスの中の長回し。
キスするのかしないのか。

案外、死の直前ほど、
偶然出会った他人にすべてをさらけ出せる感覚。
み

みの感想・評価

3.6
OPのタロットカード占いのシーンからモノクロになるの素敵だった。1カット1カット絵になるしセンスの塊。クレオが来てた大きなドットのワンピースが可愛い。ストーリーは無いようなもので1日のクレオの心境の変化をフランスの街並みと人とのつながりを通してほぼリアルタイムで観れるかんじ。
ikumi

ikumiの感想・評価

-
これは平常心で観ると催眠効果があってめちゃ不安なときに観るとちょっと落ち着ける自分にとってはそんな作品。
パリはただ憧れるには汚すぎて嫌いになるには美しすぎる、だから少しもやっとしながら徘徊するのにたぶんぴったりな場所。だからこれを観ると落ち着けるのかもしれないし、だからあそこはストーリーに溢れているのかもしれない。
Miver2

Miver2の感想・評価

5.0
5時からの出来事やその光景を数分毎に区切りながら、ギュッと凝縮されたような密度の濃い物語が抜群の面白さ。
そしてカット割りとその構図の美しさ、素晴らしさも含めて存分に楽しむ事が出来て最高だったこの作品。

物語が始まって、タロットのカードが印象的に並べられて行く中で、そのタロットの上に一つ一つ言葉が添えられて行くその撮り方に釘付けにならずにはいられなかった。
一気に物語に引き込まれて行く。

主人公が街へと飛び出し、様々な場所を巡って行く中で、喫茶店のシーンでのマネージャーさんなのかな?
その登場人物の人の立ち振る舞いがまた印象的で。
そして喫茶店のシーンが展開して行く中で、ここでもその撮り方やカット割りに思わずニヤニヤしてしまう。
言葉ではない所で物語を魅せる面白さに溢れていた。

そして主人公を訪ねて来た、作詞家と作曲家の人達なのかな、その人達がやって来て繰り広げられるエピソードが抜群に面白かったな。
あとこの時、それぞれの表情を撮る場面でのカメラワークが絶妙過ぎて、観ていて最高だった。

普段あまり衣装とかにはそんな気にしないのだけれど、この作品で服を着替えた時の主人公の佇まいの格好良さには釘付けにならずにはいられなかった。
美しさと格好良さを兼ね備えたその姿が素敵だったなあ。

後に主人公が友人の所に尋ねて行って、その友人が言ってた一言は格言みたいな感じがあって。
そして一緒に行った映画館で映し出されるゴダール監督とアンナ・カリーナが登場する短編を観れたのが嬉しかった。
「顔たち、ところどころ」でこの場面の事に触れていて、今回観るのが俄然楽しみになってたんだけど、ここは観ていて本当に楽しかったな。

そういえばこの作品は結構いろんな人がカメオ出演してたみたいだけど、アニエス・ヴァルダ監督も出てなかったかな?と少し気になっていたり。
そのモノクロームの映像と街並みはとても品があって、さりげなく美しかったりもして、とても洗練された映画だったなあと。

主人公があれは公園の階段なのかな?
その階段を降りて来る姿がなんだかとてもカッコ良かった。
そしてバスなのか、乗り物に乗って主人公と会話する場面がとても印象的だったりしながら、最後にこの物語の一番肝心な事を確認した所でいきなり物語が終わったのは正直、えっ?って一瞬だけなったけど(笑)

でもその終わり方にもっと続くはずのその先を観たくなるのと同時に、物語が終わって映画館から街に放り出されて放り出されるような感覚を覚えながら、とても心地良い深い余韻を噛み締めながら帰るこの気持ちはたまらない物があった。
とても良い映画を観た事を実感。

昨日は「顔たち、ところどころ」を観て、今日は「5時から7時までのクレオ」を観て、先月はシネマヴェーラで「幸福」を観ていたりもするのだけれど、どれもこれもが素晴らしい作品で、ここに来てアニエス・ヴァルダ監督の凄さと魅力を体感出来る事が嬉しく思う。

あまりの素晴らしさにまた忘れた頃に映画館で観てみたい。
文句無しに素晴らしい作品でした。
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