ゆー

パラレルワールド・ラブストーリーのゆーのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

※原作未読で観に行きました※

頭を使うミステリーかと思っていましたが、冒頭からどんなカラクリが使われてるのかが解りやすかったので、変にもやもやせずに観られました。

盛り上がるというよりは、ヒタヒタとお話が進む感じです。
主題歌が最高すぎました。このために映画館に来た。

あと個人的にすごく好きなのは衣装。
どんどん拗れていくにつれて、主役の玉森くんの衣装が暗い色味になるのがたまらないです。
イメージの作り方というか、色による感情の伝え方が好きです。

あとは、ざっくりまとめると「これは三角関係の話である」というのが、染谷くん演じる智彦の部屋のPCでもわかるところ。
♻️(リサイクルマーク)が壁紙になっているのとか、ターニングポイントとなる冒頭のカフェのシーンで、玉森くんの羽織のボタンが一つ外れているところとか。
単純に着こなしとして、かもしれませんが、ボタンの掛け違いを意図してるならすごい。

途中の智彦から見た二人のバスケシーンを、何故か崇史が思い出すところは、同じ機械を利用した=二人とも記憶が改竄されてるという意味合いなのかな、とか。
杖をついたおじ様は、2回同じ場所、同じ方向から歩いてきてるのは、過去の出来事を繰り返そうとしているフラグなのかな、とか。
伏線が面白い映画でした。

重要なキーとなる「0710」の数字。
麻由子の誕生日だと映画を観終わってからわかり、智彦が心の底から彼女の幸せを願っていたという事実が苦しいです。
研究に没頭したのも、多分この結果を早く引き起こしたかったからなんだろうなと思うと、どこまでも優しい彼に幸せな日々が訪れることをただ祈るばかりです。

盛り上がりには欠けたような印象でしたが、登場人物皆不器用なのがよかったです。
智彦の「ありがとう」と答えるシーン、純粋な瞳の表現が非常に印象に残る映画でした。

どうやら原作とラストが違う?らしいので、原作がどうなっているのかが気になります。

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▼追記
この映画では、人の欲が描かれていたと思っているのですが、それを含めて煩悩の数と上映時間(108分)がイコールなのも意図的だとしたら、ゾクゾクしますね。
仕掛けが面白い分、勿体なさを感じてしまう。
ゆー

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